裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和23(れ)1796
- 事件名
窃盗
- 裁判年月日
昭和24年4月30日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第3巻5号679頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和23年8月14日
- 判示事項
一 公定價格の定めある賍物の對價に對する被害者の交付請求權の範圍と沒収額 二 賍物の一部が犯行後加工により価格を増加して被害者に仮還付されている場合と被害者の交付請求により還付の言渡をすべき未還付品の対価の額 三 公定價格のある定め賍物の時價に對する被害者の交付請求權と不當利得
- 裁判要旨
一 賍物の對價として得たものが犯人以外の者に屬せざるときは、これを沒収することができる。その賍物が公定價格の定めあるものであるときは、公定價格相當額について被害者に右對價の交付請求權があり、その請求があれば裁判所は右相當額を被害者に還付し(舊刑訴第三七三條第二項)その殘額を沒収することができるのである。(昭和二三年(れ)第五四六號同二四年一月二五日第二小法廷判決) 二 押収した賍物の一部が被害者に仮還付されている場合、被告人が未還付品の対価として得た金銭のうち公定価格相当額に対して被害者より交付の請求があつたときは、裁判所は、仮還付されている物が犯行後仮還付の時までに加工によりその価格を増加しているかどうかにかかわらず、未還付品の公定価格相当額について還付の言渡をすれば足りる。 三 刑事訴訟の手續としては賍物の對價については被害者に對する辯償の有無に拘らず被害者から公定價格に相當する額の範圍内においてその交付の請求のあつた場合は裁判所はその請求額を被害者に還付すべきであつてこれによつて、被害者が不當に利得するや否やは、専ら民事訴訟において裁定すべき問題で刑事訴訟の關知せざるところである。
- 参照法条
刑法19條,舊刑訴法373條,旧刑訴法373条
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