裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和23(れ)1813
- 事件名
強盗未遂、銀行構内侵入、強盗、住居侵入
- 裁判年月日
昭和24年4月14日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第3巻4号530頁
- 原審裁判所名
高松高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和23年10月7日
- 判示事項
一 證據書類につき展示の方式による取調の正否 二 取調を終了した證據書類を公判調書に記載する程度 三 被告人の公判廷における供述と公判廷外の供述とが異る場合そのいずれを採證した理由を判示することの要否
- 裁判要旨
一 しかしながら、證據書類と雖も特種の場合においては展示の方式によつて證據調がなされることがある(舊刑訴法第三四〇條第三項)のみならず證據書類の中には、これを被告人に示すことによつて却つて端的にその内容を知悉せしめるに適する場合(例えば證據書類中の被告人の署名の部分又は表の取調のごとき)においては展示されることがあり且つこの展示の方式によつても證據調が完全に履踐されるものと解すべきである。本件では檢證調書中の圖面のごときは展示に適するものと認められる。 二 公判廷において證據調をした證據書類を公判調書に記載する方法については各書類を必ずしも個別具體的に掲記する必要はなく、如何なる書類につき證據調がなされたかを明確にするを得る程度において總活適表示をもつて掲記しても差支ないのである。(昭和二二年(れ)第二七七號同二三年四月八日第一小法廷判決参照)そして所論公判調書における「各被告人に對する司法警察官の聽取書」という中には司法警察官代理の聽取書を特に除外する意味ではなくこれをも包含せしめる趣旨で掲記されたことが本件記録を通じて窺知されるのである。(しかし公判調書の記載ができ得る限りもつと正確を期すべきであることは言を俟たない)されば所論の各證據は、何れも適法に證據調がなされたものと認められるから論旨を採用することはできない。 三 論旨は、被告人等の公判廷における供述と公判廷外において官憲の録取した書類に表示されている供述とが相違している場合においてその何れを採るかは裁判書の自由心證に依るべきであるが前者を排し後者を信じて採る場合にはその理由を示す必要はない。
- 参照法条
御刑訴法340條,著刑訴法338條,舊刑訴法337條,舊刑訴法360條1項
- 全文