裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和24(れ)1511
- 事件名
殺人予備、決鬪等
- 裁判年月日
昭和26年3月16日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第5巻5号755頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和23年11月30日
- 判示事項
一 明治二二年法律第三四号決闘に関する件第一条にいわゆる決闘応挑罪の成立時期 二 決闘の意義と殺意を以て決闘の準備をした者の罪責
- 裁判要旨
一 明治二二年法律第三四号決闘に関する件第一条には「決闘ヲ挑ミタル者又ハ其挑ニ応ジタル者」と規定しているから決闘応挑罪が成立するには応挑の意思表示が挑発者の認識に到達することを必要とすることは明らかである。 二 決闘とは当事者間の合意により相互に身体又は生命を害すべき暴行をもつて争闘する行為を汎称するのであつて必ずしも殺人の意思をもつて争闘することを要するものではない。しかし、決闘にも殺人の意思をもつて為されるものもあり得るのであるからその場合には決闘の罪の外殺人の罪の成立することは前記決闘に関する法律第三条に「決闘ニ依テ人ヲ殺傷シタル者ハ刑法ノ各本条ニ照シテ処断ス」とあるによつても明らかである。それゆえ殺人の意味をもつて決闘の準備をした場合には殺人予備罪が成立するものといわなければならない。原判決が判示第三の事実を殺人予備罪としたのは決闘をもつて直ちに殺し合いと即断したからではなく証拠によつて本件決闘については、殺人の意思であつたと認定した結果である。そして原判決の挙示する証拠によつて右の事実認定をすることができるのであるから原判決には所論のような違法なく論旨はいずれも理由がない。
- 参照法条
明治22年法律34号決闘ニ関スル件1条,明治22年法律34号決闘ニ関スル件3条,刑法201条
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