裁判例結果詳細

事件番号

昭和24(れ)986

事件名

強盗殺人

裁判年月日

昭和24年6月7日

法廷名

最高裁判所第三小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

刑集 第3巻7号953頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和24年3月1日

判示事項

一 第六回公判期日以外は各期日毎に適法な召喚を受けながら理由なくして缺席した辯護人と「辯護權の不法制限」 二 犯罪行爲の場所、死亡の日時等證據によつて認定した理由を判決書に記裁することの要否 三 殺人罪において行爲と結果との間の因果關係を判示する程度

裁判要旨

一 適法に召喚を受けた公判期日に何ら納得すべき理由なくして缺席した辯護人は、同公判期日における審理の進行状況、次回期日指定の有無等については、自ら進んでこれを確めるだけの努力をすべきこと、辯護人としてはむしろ當然の事である。殊に本件のごとく被告人および相辯護人が公判期日に出頭して次の期日の指定の告知を聞いた場合には、被告人または相辯護人において次回公判期日までに缺席辯護人と連絡を取つて公判の準備を整うべきであり、もしやむを得ない事情によつて再び出頭し得ない場合には、延期の申請その他適當な手段がありそうなことである。さて記録によれば、第六回公判期日につき海野辯護人に對して召喚手續がとられなかつたことは、論旨の通りであるが原審は右期日以外の公判期日にはすべて適法な召喚状を同辯護人に送達している。そして海野辯護人は原審公判に一回も出頭していないのであつて、しかもその不出頭の理由については記録上何らの望むべきものがない。その状態においてたまたま一回の召喚状不送達を自己の利益に援用するのはいかがなものであろうか。要するに原審が「不法に辯護權の行使を制限した」とは云い得ないのであつて、論旨は理由がない。 二 (殺害行爲の場所、死亡の日時等)は犯罪構成要件たる事實でない。もちろん犯罪事實の同一性を確定する必要上それらの事實も證據によつて認定すべきであるが(舊刑事訴訟法第三三六條)證據によつて認定した理由を一々判決書に記載する必要はない。 三 しかし、殺人罪において行爲と結果との間の因果關係を判示するには死亡の結果が被告人の行為に起因するものであることを見て取り得る程度で充分であつて、必ずしもその因果關係の經過を細大漏らさず説明しなければならないものではない。(前掲昭和二三年九月九日第一小法廷判決参照)それゆえ本件においても多量出血と死亡との間に脳貧血とか脳震蕩というような經過があつたにしても、結局において被告人の傷害行為による多量出血のための死亡たることに變りはないのであるから、判決文と檢案書の記載との間には何らの食いちがいもないのであつて、原判決が證據なくして因果關係を認めたという論旨は理由がない。

参照法条

舊刑訴法320條2項,舊刑訴法410條11號,舊刑訴法336條,舊刑訴法360條1項,刑法240條

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