裁判例結果詳細

事件番号

昭和25(あ)2886

事件名

殺人未遂

裁判年月日

昭和26年7月17日

法廷名

最高裁判所第三小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

刑集 第5巻8号1448頁

原審裁判所名

名古屋高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和25年9月28日

判示事項

一 殺人の目的で鮒の味噌煮にストリキニーネを入れた行為と不能犯 二 第一審では主張せず控訴趣意書で初めてした「証拠に採用された被告人の司法警察員および検察官に対する自白が暴行脅迫に基いたものである」との主張と刑訴第三九三条による事実の取調の要否

裁判要旨

一 なおストリキニーネを混入した鮒の味噌煮が苦味を呈しているからといつて何人もこれを食べることは絶対にないと断定し難いところであるから、殺人罪の不能犯であるとの主張は容認することはできない。 二 しかるに本件第一審公判において被告人及び弁護人は検察官の取調請求にかかる被告人の司法警察員に対する供述調書及び被告人の検察官に対する供述調書(いずれも自白を内容とするもの)を証拠とすることに同意し、かつ証拠調請求について異義がない旨述べたのであつて、自白が暴行脅迫に基いてなされたことを主張したことなく、また第一審裁判所において取調べた証拠及び訴訟記録には右のような疑念を抱かせる証拠は全然存しない。被告人は控訴趣意書において初めて、司法警察員及び検事に対して自白したのは暴行脅迫の結果で真実に出でたものでないと主張するのであるから、原審がこの点について職権により、取調にあたつた警察官や検事を証人として尋問する等事実の取調を行わないで、被告人は暴行脅迫によつて自白したものとは認められないと判断したことは違法ではない。(被告人の控訴趣意が刑訴法第三九三条第一項但書に基き事実の取調を求めるものでないことは明白である)。

参照法条

刑法199条,刑法203条,刑訴法393条

全文

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