裁判例結果詳細
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最高裁判所
- 事件番号
昭和23(れ)112
- 事件名
昭和二十年勅令第五七七号金銀又ハ白金ノ取引等取締ニ関スル法律違反
- 裁判年月日
昭和23年7月14日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第2巻8号876頁
- 原審裁判所名
札幌高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和22年12月6日
- 判示事項
一 改正刑法施行前の連續犯と同法附則第四項適用の要否 二 主文において何人から沒收するかを明示しない判決と理由不備の違法 三 銀塊取引に要する金額を他から借受けた事實と刑訴法第三六〇條第一項 四 押收物の移管と押收の効力 五 補強證據の意義と共同被告人の供述
- 裁判要旨
一 原審は、所論「刑法の一部を改正する法律」の施行後において、判決するに當り、被告人の本件犯行の日時を、右法律の施行前たる昭和二二年七月二日頃と認定して、刑法第五五條を適用したのであるから「この法律施行前の行爲については、刑法第五五條の改正規定にかかわらず、なお從前の例による」旨の前記法律附則第四項に從つたことはおのずから明らかである。有罪判決において、罪となるべき事實の認定に法令の適用を示すには、その事實に對し現に効力を有する法規の適用を示せば足りるのであつて、その法規が現に効力を有する事由に關する法規にまで遡つてこれを示す必要はない。 二 原判決はその主文において、本件銀塊を何人から沒收するかを明示していないことは所論のとおりであるが、その趣旨とするところは、共同被告人たる被告人等三名に對して沒收を附加したこと判文上十分認められる。されば、原判決には所論のような違法はなく論旨は理由がない。 三 原審は、被告人の原審公判廷における供述を採用して所論の金額を認定し、この點に關する第一審公判調書記載のAの供述を排斥したものであることは、原判決の認定事實と原判決の引用した證據の内容とを對照すれば明かである。しかしのみならず、被告人がAから所論の金額を借受けたことは、本件犯罪の罪となるべき事實ではないから、これを認めた理由を證據によつて説明することは法律の要求するところではない。 四 記録を調べて見ると、所論の銀地金九貫匁は、Aが提出したものを司法警察官が證據品として領置したこと、領置品目録を題する書面によつて、明かである。同書面の備考欄及び銀地金引渡書と題する書面によれば、右銀塊は札幌警察署から連合國軍政部に移管されたことは、所論のとおりであるが、押收物については、所有者その他の者をしてこれを保管せしめ得ること、刑事訴訟法第一六四條第二項の規定するところであるから、他に移管した事實のみによつて、押收の効力は消滅するものではない。そして適法は證據調べをしていることが明かであるから右銀塊は押收物として現存したものと言わなければならない。 五 自白を補強する證據は、それによつて自白の眞實であることが肯認され得るものであることを要するが、補強證據の種類については法定の制限はない。共同被告人の供述といえども右の要件を見えるかぎり補強證據として役立つものである。そして、共同被告人の供述が右の要件を見えるかどうかは事實審たる裁判所の自由心證によつて定まる問題である。
- 参照法条
改正刑法附則4項,刑法55條,刑法19條,刑法164條2項,刑訴法360條1項,昭和20年勅令577號金銀又は白金の取引等取締に關する件,憲法38條3項,刑訴應急措置法10條3項