裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和23(れ)397
- 事件名
銃砲等所持禁止令違反
- 裁判年月日
昭和23年7月29日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第2巻9号1076頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和23年2月21日
- 判示事項
一 「九四式拳銃」と銃砲等所持禁止令施行規則第一條の銃砲の範圍 二 彈倉と銃砲等所持禁止令施行規則第一條銃砲の範圍 三 銃砲等所持禁止令第二の「所持した者」の判示方法 四 刑訴法第三二九條の「公判廷」の意義 五 公文書に文字の挿入あるも、その字數の記入なき場合 六 公判調書に公判廷を公開しなかつた旨の記載がない場合と公判の公開 七 公判調書に署名すべき裁判長の表示を缺く場合 八 公判廷における自白と憲法第三八條第三項及び刑訴應急措置法第一〇條第三項にいわゆる「本人の自白」 九 銃砲等の所持を処罰しない旨の一地方行政官庁の掲示と刑訴第四一五条 一〇 勾留状に記載すべき「執行の場所」 一一 保釈後四ケ月後の公判廷における自白と憲法第三八条第二項 一二 銃砲等所持禁止令第一条の法意 一三 銃砲等所持禁止令第二條の所持に對する犯意
- 裁判要旨
一 「九四式拳銃」は銃砲等所持禁止令施行規則(昭和二一年内務省第二八號)第一條に規定する銃砲に該當する。 二 彈倉は銃砲等所持禁止令施行規則第一條の銃砲の範圍内に含まれる。 三 被告人が「自宅において所持して居た」と判示すれば、銃砲等所持禁止令第二條の「所持した者」の判示方法として缺くるところがなく、所持の態容を判示する必要はない。 四 刑訴法第三二九條の「公判廷」とは、同條第二項所定の者が全部列席して開かれた審判廷をいうのであるから、たとえ判事の事務室で開かれたとしても、右第二項所定の人員が總て列席して開かれた以上公判廷である 五 刑訴法第七二條所定の字數記入がなくても、文字の挿入は必ずしも無効ではない。書類作成者が正當に挿入したものと認められる場合は有効である。 六 公判調書に特に公開しなかつた旨の記載がない限り公判廷を公開したものと解すべきである。 七 公判調書には事實上裁判長をした者が署名すればよいのであつて、裁判長としての表示を缺くも差支えない。 八 公判廷における自白は憲法第三八條第三項及び刑訴應急措置法第一〇條第三項にいわゆる「本人の自白」に含まれない。 九 地方官庁の行政的措置として、法定の期間経過後銃砲等の所持を届け出た者を処罰しない旨の掲示があつた事実は、刑訴第四一五条所定の事実に準ずべきものではない。 一〇 勾留状を執行した司法警察官吏が勾留状に記載すべき「執行の場所」というのは、司法警察官吏が被告人にその勾留状を示してそれを執行した場所をいうのである。 一一 保釈後四ケ月以上を経過した後、公判廷においてなされた自白は、憲法第三八条第二項にいう、「不当に長い拘禁後の自白」ということはできない。 一二 銃砲等所持禁止令第一条は、わが国民一般に対し、許可なくして銃砲等を所持することを絶対に禁ずる趣旨である。 一三 犯意所持の認識がありながら、所持していれば、所持について犯意があつたといえるのであつて、その上さらに使用する意思等を必要とするものではない。
- 参照法条
銃砲等所持禁止令1條1項本文,銃砲等所持禁止令2條,銃砲等所持禁止令1條,銃砲等所持禁止令施行規則(昭和21年内務省令28號)1條,刑訴法329條1項,刑訴法72條,刑訴法60條2項4號,刑訴法64條,刑訴法410條7號,刑訴法63條1項,刑訴法415条,刑訴法109条1項,刑訴法103条2項,憲法38條3項,憲法38条2項,刑訴應急措置法10條3項