裁判例結果詳細

事件番号

昭和23(れ)567

事件名

窃盗、準強盗傷人、強盗傷人、有毒飲食物取締令違反

裁判年月日

昭和23年10月16日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

刑集 第2巻11号1346頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和23年2月18日

判示事項

一 在日朝鮮人に對する日本の裁判權 二 朝鮮人に對する日本の裁判權に關する準據法規判示の要否 三 犯罪の動機判示の要否 四 憲法第三八條第二項にいわゆる不當に長く拘禁された後の自白に該らぬ場合 五 拘禁と自白との間に因果關係のないことが明らかな場合と憲法第三八條第二項

裁判要旨

一 朝鮮人は、連合國人に屬せず、日本在住の朝鮮人は日本刑法の適用を受け、日本の裁判權に服するものであることは、昭和二一年六月一三日、勅令第三一一號及び一九四六年一月三一日附連合國最高司令部發日本帝國政府宛「連合國、中立國及ビ敵國ノ定義ニ關スル覺書」並びに刑法第一條第八條の趣旨に徴し明瞭である。 二 朝鮮人に對する日本の裁判權に關する準據法規を特に判決に表示することは、刑事訴訟法の要求せざるところである。 三 犯罪の動機は、刑事訴訟法第三六〇條にいわゆる「罪トナルベキ事實」に該當しないのであるから、特に、これを判決に記載しないからといつて、判決を違法ならしむるものとはいえない。 四 その事由は、Aは勾留されてから七〇餘日の後にしたものであり、Bは勾留されてから、僅かに一〇日後にしたものである。しかして、本件は共犯者數名あり、公訴事實も相當に複雜であるのみならず、被告人の中には保釋中に再び犯罪をおかして、追起訴せられたものもあり、事件は更に錯雜を加えたのであつて、一〇日前後の拘禁はもとより、七〇餘日の拘禁といえども、本件諸般の事情からみて不當に長い拘禁とはいえないのであるから、右A及びBの第一審における自白はいづれも「不當に長い拘禁後の自白」にはあたらないのである。 五 原判決がその證據とした原審公判廷における自白も、要するに、右第一審における自白をくり返したものに過ぎないのであつて、長い拘禁がもととなつて、若しくは長い拘禁に影響されて自白をするに至つたというわけではないのである。ことばをかえていえば、特別の事情のみられない本件においては、右の長い拘禁と原判決が證據とした自白との間には、因果關係のないことがあきらかな場合と解するのが相當である。かくの如き場合には、これを憲法第三八條第二項にいわゆる不當に長く拘禁された後の自白に該當しないものとすることは既に當裁判所の判例とするところである。(昭和二三年六月三〇日言渡、昭和二二年(れ)第二七一號大法廷判決)。

参照法条

昭和21年勅令311號,1945年1月31日附連合國最高司令部發日本帝國政府宛「連合國、中立國及ビ敵國ノ定義ニ關スル覺書」,刑法1條,刑法8條,刑訴法360條1項,憲法38條2項,刑訴應急措置法10條2項

全文

全文

ページ上部に戻る