裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和23(れ)587
- 事件名
強盗、住居侵入
- 裁判年月日
昭和23年9月9日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第2巻10号1196頁
- 原審裁判所名
高松高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和23年4月21日
- 判示事項
一 公判廷における檢事の陳述の控訴理由要否と控訴の取下 二 檢事のなした控訴の理由ありや否やについての判示の要否 三 共同被告人間の刑の長短輕重についての根據理由判示の要否 四 相被告人に對し酌量減輕をしなかつた理由判示の要否と上告理由 五 事實審裁判所の專權範圍としての自首減輕 六 最高裁判所が執行猶豫の言渡や刑の減輕をなし得る場合
- 裁判要旨
一 檢事が控訴をするには、控訴申立書を第一審裁判所に差出せば足り、原審公判廷での控訴の理由を陳述することを必要としないことは刑訴第三九條で明らかなところである。そして、檢事が被告人A外三名に對する第一審判決に對して控訴申立書を第一審裁判所に差出したことは、一件記録で明らかなところであるから被告人Aに對する檢事の控訴は原審第一回公判當時には既に適法になされていたものである。又檢事が控訴の趣旨理由を陳述するのは、被告人のする控訴の趣旨理由の陳述と同樣に、事實關係及び爭點等を明らかにして、審理の進行に資するという程度の意義しかないものである。それ故、所論のように、原審公判廷において檢事がB、C及びDの三被告人に對しては控訴の理由を陳述したが、被告人Aに對しては控訴の理由を陳述しなかつたからといつて、檢事は同被告人に對する控訴を特に取下げたものと解することはできない。 二 檢事の申立てた控訴が理由あるか否かの判斷は、刑訴第三六〇條に定める有罪の判決に付すべき理由にあたらないのは勿論多にかような判斷を示すべき趣旨の規定も存在しない。しかのみならず、控訴覆審主義を採つている現行刑事訴訟法の下においては、控訴理由の有無については判示する必要がないのは當然である。 三 共同被告人の刑の量定に當り、所論のごとく刑の長短輕重についての根據理由を特に判示すべき必要はどこにも存在しない。 四 上告人等は何れも原審で酌量原輕を得ているに拘わらず、偶々相被告人の一人が酌量減輕を得なかつたとしても、その理由を判示すべき必要はないばかりでなく上告人等の上告理由となるべき譯がない。 五 自首をしたのであるかどうかの認定と自首をしたのだと認定した場合に刑を減ずるか否かは專ら事實審たる原審の自由裁量權に屬することがらであるから、假に被告人が自首したのだとしても原審は自首減輕をしなくてはならぬものではない。 六 執行猶豫の言渡や刑の減輕は事實審たる原審の裁量權に屬するところであつて、當裁判所は違法な判決を破毀して自判する場合に限つて執行猶豫の言渡や減輕につきても審判する權限を有するにすぎないのである。ところが原判決は上告人も主張していないように違法のかどがないものであるから、當裁判所は被告人に對する執行猶豫の言渡や刑の減輕について審判することはできない。
- 参照法条
刑訴法396條,刑訴法385條,刑訴法360條1項,刑訴法360條2項,刑法66條,刑法42條,刑法25條
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