裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和23(れ)73
- 事件名
傷害致死
- 裁判年月日
昭和23年7月7日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第2巻8号793頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和22年11月22日
- 判示事項
一 喧嘩と正當防衞 二 喧嘩と過剰防衞 三 被告人は悔悛しているから實刑を科する必要がないとの主張と刑訴法第三六〇條第二項 四 第一審の第一回公判期日の指定より第二審の判決言渡まで六ケ月半を要した、審判と憲法第三七條第一項にいわゆる「迅速な裁判」
- 裁判要旨
一 互に暴行し合ういわゆる喧嘩は、鬪爭者双方が攻撃及び防禦を繰り返す一團の連續的鬪爭行爲であるから、鬪爭の或る瞬間においては、鬪爭者の一方がもつぱら防禦に終止し正當防衞を行う観を呈することがあつても、鬪爭の全般からみては、刑法第三六條の正當防衞の観念を容れる餘地がない場合がある。 二 原判決はその理由において、本件のような喧嘩の際における鬪爭者の鬪爭行爲は互に攻撃及び防禦をなす性質を有し、一方の行爲のみを不正の侵害なりとし他の一方のみを防禦行爲なりとすべきではなく、從つてその鬪爭の過程において被告人が相手方に加えた本件反撃行爲はこれを正當防衞と解し得ない旨説示して原審辯護人の正當防衞の主張を排斥している。そして、被告人の行爲が不正の侵害に他意する防衞行爲でないことを説示した以上、防衞の程度を超えた行爲も成立し得ないことは當然である。 三 論旨前段で主張する事由(被告人は悔悛しているから實刑を科する必要はないと主張したこと)は刑事訴訟法第三六〇條第二項に規定する事實上の主張に當らないからこれに對する判斷を判決に示す必要はない。 四 本件について、第一審の第一回公判期日が指定されたのは昭和二二年五月二日であつて、第二審判決が言渡されたのは昭和二二年一一月二二日であること記録上明らかである、新憲法の施行以後第二審判決の言渡まで約六ケ月半を費したに過ぎず、その間現物の檢證、證人の訊問等の手續を經た本件審理は毫も憲法第三七條の規定に反するものではない。
- 参照法条
刑法36條,刑法36條1項,刑法25條,刑訴法360條2項,憲法37條1項