裁判例結果詳細

事件番号

昭和24(れ)687

事件名

窃盗

裁判年月日

昭和24年11月2日

法廷名

最高裁判所大法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

刑集 第3巻11号1737頁

原審裁判所名

名古屋高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和23年12月3日

判示事項

一 刑訴應急措置法第四條の合憲性 二 刑訴應急措置法第六條の告知義務 三 憲法第三七條第三項にいわゆる「被告人が自らこれを依頼することができないとき」の意義

裁判要旨

一 刑訴應急措置法第四條は憲法第三七條第三項に違反しない。 二 刑訴應急措置法第六條第一項には「引致された被告人又は被疑者に對しては直ちに犯罪事実の要旨及び辯護人を選任することができる旨を告げなければならない」と規定しているのてある。ところで本件記録を調査すると被告人は最初司法警察官より取調を受けた際辯護人を選任し得る旨を告げられているのみならず、更に公判請求の直後判事の勾留訊問の行われたときにも判事から辯護人を選任し得る旨及び刑訴應急措置法第六條第一項の手續は完全に履踐されているのである。論旨は右第六條第一項の規定は刑訴第二七二條と全然同一の内容を有するものと解すべきであるから原審裁判所が辯護人の選任がなかつたに拘らず、被告人に對して辯護人を選任し得る旨を告げずに審理を遂げたことは前示第六條第一項の規定に違反するものであると主張するのであるが、舊刑訴當時においては刑訴應急措置法第六條第一項の規定により辯護人を選任し得る旨を告げるだけで辯護人の選任について被告人の注意を喚起するに充分であると認めていたので、新刑訴の如く裁判所がその告知をする制度を採用していなかつたのである。新刑訴は前記第六條第一項の規定では被告人の保護がまだ十分でないと認めて第二七二條等の規定を新設して前記刑訴應急措置法の規定を廢止しているのである。從つて前記第六條第一項の規定が新刑訴の前記規定と同一の注意を包含するものと解すべしとする所論は到底採用できない。然らば原審が被告人に對し辯護人を選任し得る旨を告げずに審理を遂げたことは何等刑訴應急措置法第六條第一項に違反するところはないのであるから、論旨はその理由がない。 三 憲法第三七條第三項には「被告人が自らこれを依頼することができないとき」と規定し辯護人を依頼することのできない事由を明記していないけれども、被告人が自ら辯護人を依頼できないことについては、必ず依頼できないといえるだけの相當の事由がなければならない譯である。そしてその事由は貧困その他の事由という廣い表現によつて充分網羅することができるのであるから前示刑訴應急措置法第四条に「貧困その他の事由」と規定したのは單に憲法の規定の趣旨を明かにしたに過ぎないものであつて、別に憲法の規定に反して新たな條件をつけたものということはできないのである。

参照法条

刑訴應急措置法4條,刑訴應急措置法6條1項,憲法37條3項,刑訴法272條

全文

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添付文書1

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