裁判例結果詳細

事件番号

昭和29(あ)2559

事件名

麻薬取締法違反

裁判年月日

昭和36年8月1日

法廷名

最高裁判所第三小法廷

裁判種別

決定

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第139号1頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和29年5月18日

判示事項

囮捜査によつて犯意を誘発された者の犯罪の成否および訴訟手続に及ぼす影響の有無。

裁判要旨

論旨は、原判決の憲法一三条違反を主張するけれども、実質は、囮捜査によつて誘発された麻薬の所持を有罪としたことを避難するに帰する。しかし「他人の誘発により犯意を生じ又はこれを強化された者が犯罪を実行した場合に、わが刑事法上その誘惑者が場合によつては教唆犯又は従犯として責を負うことのあるのは格別、その他人である誘惑者が一私人でなく捜査機関であるとの一事を以てその犯罪実行者の犯罪構成要件該当性又は責任性若しくは違法性を阻却し又は控訴提起の手続規定に犯し若しくは公訴権を消滅せしめるものとすることはできない」こと、当裁判所の判例(昭和二七年(あ)五四七〇号同二八年三月五日第一小法廷決定)の趣旨とするところである。そうだとすれば本件第一審判決中犯示第一の(二)の犯行をなすに至つた動因が麻薬取締官の慫慂行為によるものであつたとしても、そのことは被告人の刑責にかかわりなき道理であり、これと同趣旨に出た原判決は正当である。

参照法条

旧麻薬取締法(昭和23年7月10日法律123号)53条,刑法第61条,刑法第62条,刑法第38条,刑法第35条,刑訴法337条,刑訴法338条4号

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