裁判例結果詳細

事件番号

昭和28(し)56

事件名

詐欺、賍物故買被告事件の控訴棄却決定に対する異議申立事件につきなした異議棄却決定に対する特別抗告

裁判年月日

昭和30年2月23日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

決定

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第102号907頁

原審裁判所名

仙台高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和28年7月8日

判示事項

弁護人選任権の不法制限とならない一事例

裁判要旨

憲法三七条三項前段所定の弁護人に依頼する権利は、被告人が自ら行使すべきもので、裁判所は被告人にこの権利を行使する機会を与え、その行使を妨げなければ足るものであること、同条項後段の規定は被告人が貧困その他の理由で弁護人を依頼できないときは国に対して弁護人の選任を請求できるものであり、国はこれに対して弁護人を附すれば足るものであること及び同条項は被告人に対し弁護人の選任を盛況し得る旨を告知すべき義務を裁判所に負わせているものでないことは、すでに当裁判所の判例としているところである(昭和二四年(れ)二三八号同年一一月三〇日大法廷判決、集三巻一一号一八五七頁)。本件において、被告人Aは、同被告人に対する詐欺、賍物故買被告事件について、昭和二八年四月九日、盛岡地裁一関支部が言渡した判決に対し同日控訴の申立をなし即日第一審において被告人の弁護人があつた弁護人千葉参治を原審弁護人に選任したのであるが、同弁護人は同年五月一日辞任したので、原審は、同年五日二一日被告人に対して刑訴規則一七七条、一七八条の通知書及び控訴趣意書差出最終日通知書(最終日は同年六月一九日)を郵便により送達し、被告人は同年六月五日弁護人を私選する旨を回答をしたが、自己の弁護人を選任しないのみならず、国選弁護人の選任をも請求せず、適法に定められた控訴趣意書差出期間内に控訴趣意書提出をしなかつたため、原審は刑訴三八六条一項一条により控訴を棄却したことが、本件記録上明らかである。そして、被告人が弁護人において控訴趣意書差出期間内に控訴趣意書を提出できるような時期に弁護人を選任しなかつたことは、被告人の懈怠に基因するものであり、記録を調べても、原審が被告人の憲法三七条三項によつて保障された弁護人選任権の行使を妨げた事跡は認められない。

参照法条

憲法37条3項,刑訴法36条,刑訴法272条,刑訴法289条,刑訴法376条,刑訴法386条1項1号,刑訴規則177条,刑訴規則178条(250条)

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