裁判例結果詳細

事件番号

昭和38(あ)1604

事件名

封印破棄

裁判年月日

昭和39年8月13日

法廷名

最高裁判所第一小法廷

裁判種別

決定

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第152号457頁

原審裁判所名

大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和38年6月6日

判示事項

刑法第九六条所定の公務員の施した差押の標示を無効ならしめた罪にあたると判断された事例。

裁判要旨

一 被告人の所為をもつて刑法第九六条所定の「公務員の施した差押の標示を無効ならしめた罪」にあたるとした原判断は正当である。 二 (原判決の判断の要旨)執行吏が仮処分の執行として物の占有を自己に移し、その旨の標示をした上、現状不変更を条件として使用を許したときは、仮処分の執行を受けたものは、これを使用するについて、破損箇所の修繕等その物の保存に必要な行為のほか、現状不変更を条件とする使用許可の趣旨に反しない限度において、些少の変更を加えることはもとより許されるとしても、その物の現状において許された通常の使用方法によらず、物の構造上の変更を来たすが如き造作がなされる場合は、現状のまま保存占有しようとする差押の目的を直接妨害することとなり、差押の標示を実際上滅却又は減殺するものというべきであつて、その変更が被保全権利の実行を不能又は著しく困難ならしめたか否かにかかわりなく、刑法第九六条にいわゆる差押の標示を無効ならしめた罪に該当するものと解すべきである。

参照法条

刑法96条,民訴法755条

全文

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