裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和38(あ)2019
- 事件名
物価統制令違反
- 裁判年月日
昭和39年9月8日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集刑 第152号771頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和38年7月1日
- 判示事項
物価統制令の適用と憲法第一三条。
- 裁判要旨
所論は、物価統制令はその第一条に規定するごとく、「終戦後の事態に対処し物価の安定を確保し以て社会経済秩序を維持し、国民生活の安定を図ることを目的とした」限時法的性格を具有した法規であり、経済状態が常態に復し国民生活が安定したときは早晩廃止されるべき運命にあるものであるところ、被告人の本件犯行時である昭和三六年頃の経済状態は安定し、同令所定の目的はすでに解消したものであることは公知の事実であるから、裁判所は、もはや同令の効力を認むべき合理的理由なしとして、これが適用を排除すべきであり、少くとも終戦後の緊急事態の解消した今日においてもなおその存続の必要があるとすれば今日の事態に合つた条件と法定刑をもつてすべきであるのに、被告人の本件行為に同令をそのまま適用処断した原判決は憲法第一三条の解釈を誤つたものであるというにあるが、同令は昭和二七年法律第八八号により法律として効力を有するものとされ、その施行期限を予め定められた限時法ではないから、廃止されない限り当然その効力を失うものでないこと原判示のとおりであるから、所論違憲の主張はその前提において失当である。
- 参照法条
物価統制令,憲法13条,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基づく経済安定本部関係諸命令の措置に関する法律(昭和27年法律88号)4条
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