裁判例結果詳細

事件番号

昭和39(あ)806

事件名

強盗致傷

裁判年月日

昭和39年9月15日

法廷名

最高裁判所第三小法廷

裁判種別

決定

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第152号833頁

原審裁判所名

大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和39年3月16日

判示事項

被告人の所為が強盗致傷の罪にあたるとされた事例。

裁判要旨

一 原審が、第一審の認定した事実関係の下において、被告人の所為を強盗致傷の罪に当るとした判断は正当である。 二 (原審の判断の要旨) 三 所論は、本件傷害は強盗の手段たる暴行行為に包含せらるべきもので、強盗未遂をもつて論ずべきものであるというのであるが、第一審判示右傷害は被告人から暴行を受けた際に生じるものであること、右傷害のうち両手関節部擦過傷は被害者が受傷後出血しているものを認めて痛みを覚え、また下口唇の傷は第三者から知らされるので気ずき、即日医師の手当を受けに行き、両手関節部擦過傷の部分に薬を塗り、繃帯をしてもらい、下口唇にも薬をつけてもらい、その後は自宅で右各受傷部分に二、三日間薬をつけていたが、特に右手関節部擦過傷は長さ約三糎、幅約〇、五糎のものであり、右両手関節部擦過傷は受傷後一〇日を経てもまだ傷跡が残つていたこと、下口唇血腫は者を食べる時痛みを感じ、約一週間で治つたこと、また両大腿部打撲傷は医師の手当を受けに行つた際には気ずかず、翌日から痛み出し、見ると左大腿部打撲傷は長径約五・六糎短径約三・四糎に亘り内出血のため青紫色に腫れており、右大腿部打撲傷の内出血はもつと小さかつたが、一週間痛みを覚え、受傷後九日を経てようやく打ち身の跡が消えたことが明らかであるから、右各受傷は刑法上強盗致傷罪を構成するに足る傷害である。

参照法条

刑法240条前段,刑法236条

全文

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