裁判例結果詳細
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最高裁判所
- 事件番号
昭和26(あ)88
- 事件名
恐喝、職務強要、窃盜、銃砲等所持禁止令違反
- 裁判年月日
昭和27年2月14日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集刑 第60号597頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和25年11月22日
- 判示事項
他の犯罪で勾留後四ケ月目本件犯行後一ケ月二〇日目の自白と憲法第三八条第二項
- 裁判要旨
記録によると、被告人Aは昭和二四年九月二〇日恐喝未遂事件(原判決判示第一の(一)の事実)の嫌疑により勾留状の執行を受け、名古屋拘置所代用監獄起町警察署に勾留されたのであるが、本件が複雑で関係者多数のため取調困難という理由で同年一〇月九日まで勾留期間が延期され、その期間終了の前日である同月八日右恐喝未遂事件で起訴せられたものである。そして第一審裁判所では、同月一九日の第一回公判期日が指定されたが、被告人の弁護人選任の都合、相被告人不出頭等の関係から公判期日は延期を重ね、同月二八日の第三回公判期日ではじめて事件の審理が為されるに至つたのである。しかるに同被告人が右の勾留中に犯した本件職務強要罪(判示第一の(二)の事実)で同年一二月一七日追起訴されたため同月一九日開廷される筈であつた第四回公判期日は変更され、翌昭和二五年一月一八日に開廷されることになり、この公判において同被告人は右追起訴にかかる強要罪の事実につき原判決が証拠とした所論の自白をなしたものである。すなわち所論の自白は他の犯罪で勾留後四ケ月目本件犯行後一ケ月二〇日目になされたものであり、所論のように「一年近くに亘る……拘禁後の自白」ではない。そして事実の内容、手続の経過その他諸般の事情を勘案すれば所論の自白は必ずしも不当に長く拘禁された後の自白といい得ないものであることは、昭和二二年(れ)第三〇号同二三年二月六日の大法廷判決(判例集二巻号一七頁以下参照)の趣旨に照らし明らかである。
- 参照法条
憲法38条2項,刑訴法319条2項
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