裁判例結果詳細

事件番号

昭和27(あ)2904

事件名

麻薬取締法違反

裁判年月日

昭和28年10月19日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

決定

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第87号531頁

原審裁判所名

大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和27年4月18日

判示事項

綜合認定した証拠の一部に違法なものがあつても判決に影響を及ぼさない一事例 ―検察官が刑訴三二八条により提出した供述調書に対し、取調の同意はあつたが証拠とすることの同意があると認められない場合―

裁判要旨

第一審第三回公判調書には、「検察官は……刑事訴訟法第三二八条により、四、Aの麻薬取締官作成第一回供述調書一の各取調べを請求した」と明記されているから、そのあとに、「被告人及弁護人は、右各書面の取調べに異議なく之を証拠とするに同意する…旨述べた」とあるのは、Aの供述調書についてはこれを事実認定の証拠とすることに同意(刑三二六条にいう同意)した趣旨でないことが明瞭である。従つて、第一審判決が右供述調書を犯罪事実認定の証拠の一つとして挙示していることは、まことに所論のとおり違法であり、原判決が被告人側の同意を理由としてこれを適法な採証と解したことは、誤であるといわなければならない。しかし、右供述調書を除外しても、第一審判決挙示の他の各証拠により本件犯罪事実は充分に認定しうるものと判断されるから、右違法は判決に影響を及ぼさず、したがつて刑訴四一一条一号を適用すべき事由とはならない。

参照法条

刑訴法321条1項3号,刑訴法328条,刑訴法326条,刑訴法335条,刑訴法411条

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