裁判例結果詳細

事件番号

昭和30(あ)2823

事件名

業務上横領

裁判年月日

昭和34年8月28日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第131号375頁

原審裁判所名

福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和30年9月8日

判示事項

業務上横領罪の成立する事例。

裁判要旨

原判決の認定によれば、A証券株式会社は、昭和二六年八月二一日、BからC鉱業株式会社株式三〇〇株の買付委託を受け、同日及び同月二七日の二回に、買付委託手数料を含めた買付代金当て合計金五一、七五〇円を受取り、同証券会社は翌八月二八日D証券取引所市場において、右委託を受けた三〇〇株を含む同株式六〇〇株を買付け、その市場の受渡は同年九月一日行われ、したがつて同証券会社が右市場より受渡を受けた六〇〇株のうちには、Bよりの買付委託株三〇〇株を包含しておるものであり且つBへの受渡期日も既に到来したものであるところ、当時同証券会社は資金難から営業不振の状態にあつたため、同社社長たる被告人は同日、被告人自ら又は少なくとも自社社員に命じ若しくは指示して右六〇〇株全部をEに他に売却処分したものであるというのである。なるほど原判決には、横領罪の構成要件たる「他人の物」といい得るに至つた点についての理論的の判示のうち稍々正確を欠くものがあるけれども、上示原判決の認定した如き本件事実関係のもとにおいては、これを業務上横領罪が成立するものとした原判決の結論は結局正当に帰する。

参照法条

刑法253条

全文

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