裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和23(れ)1648
- 事件名
窃盗
- 裁判年月日
昭和24年3月29日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集刑 第8号439頁
- 原審裁判所名
札幌高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和23年9月17日
- 判示事項
一 憲法第三六條にいわゆる「残虐な刑罰」の意義 二 量刑に關する裁判所の自由裁量權と憲法第一三條及び同第三一條 三 生活困難な家族を有する犯人に對する實刑の言渡と憲法第二五條
- 裁判要旨
一 憲法第三六條にいわゆる「残虐な刑罰」とは、不必要な精神的肉體的苦痛を内容とする人道上残酷と認められる刑罰を意味するのであつて事實審の裁判官が、普通の刑を法律の許す範圍内で量定した場合において、それが被告人の側から觀て過重の刑であるとしてもこれを以て残虐な刑罰を禁止する憲法の規定に違反するということはできない。(昭和二二年(れ)第三二三號、同二三年六月二三日大法廷判決参照) 二 憲法第一三條は、個人の尊嚴と人格の尊重とを宣言したものであるが、それには「公共の福祉に反しない限り」という制限が附けてあり、他方憲法第三一條は社會秩序保持のため必要とされる國家の正當な刑罰權の行使を是認しているのであるから、事實審が、犯罪事に対し諸般の事情を參酌して刑罰法令の規定する刑の範圍内に於いて實刑を科し得べきことは、その自由裁量に屬する當然のことであつて、これを以て憲法違反ということはできない。(昭和二二年(れ)第二〇一號同二三年三月二四日言渡大法廷判決参照) 三 憲法第二五條は、國家の刑罰權に對して生活困難な家族を有する犯人には實刑を科することを禁ずるというような不合理な制限を加える趣旨を含まない。(昭和二二年(れ)第一〇五號、同二二年四月七日言渡大法廷判決)
- 参照法条
憲法36條,憲法13條,憲法31條,憲法25條
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