裁判例結果詳細

事件番号

昭和23(れ)1706

事件名

強盗予備

裁判年月日

昭和24年3月3日

法廷名

最高裁判所第一小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第8号81頁

原審裁判所名

大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和23年8月4日

判示事項

一 或る程度日本語を解する被告人に通譯をつけず公判請求書の記載を讀み聞かせたことと上告理由 二 審理半ばに辯護人退廷したため直ちに相被告人の辯護人を被告人の辯護人に選任して審理を終えた場合と辯護權の不法制限 三 保釋の却下に對する不服と上告理由

裁判要旨

一 記録によれば、被告人は、警察署、検事局、第一審公判廷、原審公判廷において、終始一貫して通譯を介するところなく、日本語を聞取り且つ日本語を話していることは明らかであつて、これらの點より見れば、原審は、被告人が公判請求書の記載を讀み聞かされ、これを理解する十分な日本語の知識あることを職權をもつて認定し審理をなしたことは、疑いのないところである。(通譯をつけず、公判請求書の記載を讀み聞かせたことは、公判中心主義に則つた裁判でないという)論旨はそれ故に理由がない。 二 記録を調べてみると、原審において、被告人の選任した辯護人中山福藏は、第一回公判期日に出頭していたが、審理半ばにして退廷したので、裁判所は直ちに原審相被告人Aの辯護人として出頭していた辯護士澤田剛を被告人の辯護人に選任し審理を進めたことは、明らかである。そして、右澤田辯護士は、本件第一審及び原審において被告人の選任した辯護人であつたが、原審第一回公判期日前に辯護辭任届を出した者で、事案には精通していたと認められる。しかも、本件の事實は、刑法第二三七條の強盜豫備罪に該るものであつて、その法定刑は二年以下の懲役であるから、舊刑訴第三三四條に定める強制辯護の場合に該當しないこと明らかである。從つて、原審の處置をもつて辯護權の制限として非議すべき何等の事由もない。 三 保釋の却下に對しては、それが不法であるならば別に救濟の道を採るべきであつて、原判決に何等の影響なきこと明白な保釋却下の事實を捉えて上告理由とすることはできない。

参照法条

舊刑訴法232條,舊刑訴法334條,舊刑訴法410條11號,舊刑訴法116條,舊刑訴法411條

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