裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和23(れ)2108
- 事件名
傷害致死
- 裁判年月日
昭和23年7月26日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集刑 第12号851頁
- 原審裁判所名
広島高等裁判所 松江支部
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和23年10月20日
- 判示事項
一 準現行犯人を現行犯とした不法逮捕と同逮捕に基いてなされた勾留手續の正否 二 逮捕の違法と上告理由
- 裁判要旨
一 記録を調べて見るに本犯行の行はれたのは昭和二三年三月六日午後九時半頃であり、翌七日午前三時四〇分頃犯行現場から、あまり遠くない被告人の居宅において被告人の就寝中逮捕されたものであつて、犯行の時から、發覺まで僅か六時間と一〇分ほど經過したにすぎない、被告人は就寝中であつたため、顯著な犯罪の痕跡のある被服の一部は被告人の身につけていなかつたが、被告人の寝室中に在つたのであるから、所謂準現行犯として逮捕したものであることを推認し得る。しかし、所論の如く嚴密に云へば、本件逮捕は舊刑訴法第一三〇條第二項に當らないと見るのが妥當であるから、本件の逮捕は違法であるといわなければならない。しかし勾留状を發した手續そのものについては、何等違法と認むべきところはないから、勾留状そのものを、違法であるとはいい得ない。論旨は違法な逮捕に基いて發せられた勾留状であるから、勾留状もまた不當違法であると主張するが、獨自の見解にすぎない。 二 すでに勾留状が適法である以上、勾留中になされた訴訟行爲を違法であると主張する論旨は採用しがたいばかりでなく、逮捕手續の違法は原判決に影響を及ぼさないこと明白であるから、本件逮捕手續の違法は破棄の理由とはならないものである。(昭和二三年(れ)第七七四號同年一二月一日大法廷判決参照)
- 参照法条
舊刑訴法130條2項,舊刑訴法411條
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