裁判例結果詳細

事件番号

昭和23(れ)408

事件名

強盗、住居侵入

裁判年月日

昭和23年7月6日

法廷名

最高裁判所第三小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第3号41頁

原審裁判所名

広島高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和23年3月4日

判示事項

一 酌量減輕の理由と刑訴第三六〇條第二項 二 強盜共謀の認定と實驗則

裁判要旨

一 刑事訴訟法第三六〇條第二項に法律上犯罪の成立を阻却すべき原由又は刑の加重減免の原由たる事實というのは、かかる事實があれば法律上當然犯罪の成立を阻却し又は當然刑の加重減免をしなければならない事柄を指すのであつて、かかる事實があるという主張がある場合には、判決においてこれに對する判斷を示さなければならないのに反し、刑法第六六條により犯罪の情状憫諒すべきものとして酌量減輕をなす場合は、裁判所の自由なる判斷によつてなされる量刑の一過程にすぎないものであつて、酌量減輕をなすに至つた判斷理由を判決に示す必要なきものである。 二 原判決において證據として舉示したAに對する司法警察官の聽取書によれば、Aは本件強盜について被告人と共謀したことを明言しているばかりでなく、被告人とAとは共に覆面して被害者方の屋内に侵入し、Aが被害者の前に立つて被害者を脅迫しているのに對し、被告人は其後ろに立つて居たのであり、Aが金品を強奪している間に被告人は六疊の間に箪笥の中から衣類を奪取したというのであるから、これ等の事實を綜合して判斷しただけでもAと被告人との間に強盜の意思連絡のあつたことを窺い知ることができるのであるから、舉示の證據によつて被告人はAと共謀して本件強盜事犯を實行したものと認定したことについて經驗則違背又は採證上の違背は認められない。被告人は原審公判において共謀事實を否認しているのであるが、原審においてはこれを措信しなかつたものであつて原判決理由に何等の齟齬はない。

参照法条

刑法66條,刑法236條1項,刑法60條,刑訴法360條2項

全文

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