裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和24(れ)1032
- 事件名
恐喝
- 裁判年月日
昭和25年4月28日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集刑 第17号441頁
- 原審裁判所名
仙台高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和23年12月24日
- 判示事項
警察法施行前に肩書資格を誤記した司法警察官の作成にかかる聽取書の効力
- 裁判要旨
警察法は昭和二三年三月七日から施行されたものであるから昭和二三年二月二八附の司法警察官の聽取書は同法の適用がないわけである。從つて同法第五四條第五五條を引用して右聽取書の無効を主張する所論は理由がない。ところが右聽取書の作成者Aのの肩書資格についての記載をみると「於山形市警察署國家地方警察山形縣本部刑事部刑事課警部補」となつている。然るに警察法の施行期日に關する政令(昭和二三年三月六日政令第五〇號)による警察職員の任命は警察法施行の日(昭和二三年三月七日)から効力を有する旨を明かにしているから、右聽取書作成當時には右の如き肩書資格はあり得ないわけである。この點については當裁判所の職權調査によつてAは右聽取書作成當時山形縣刑事課勤務の警部補であつたこと、國家地方警察は、その發足前準備として昭和二三年二月六日より事實上新機構ができていたこと、從つて、A警部補は國家地方警察山形縣本部刑事課所屬に配屬替えされたと思い込んで、右聽取書の末尾に前記の如く自己の資格等を誤記したことを明瞭にすることを得た。してみると前記聽取書は結局山形縣刑事課勤務司法警察官警部補Aによつて作成された有効なものということができるから右聽取書の無効を前提とする論旨も理由がない。
- 参照法条
警察法54條,警察法55條,警察法の施行期日に關する政令(昭23、3、6政令60號)
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