裁判例結果詳細

事件番号

昭和24(れ)2359

事件名

強盗、住居侵入

裁判年月日

昭和25年1月26日

法廷名

最高裁判所第一小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第16号171頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和24年7月14日

判示事項

一 第三回公判調書と記載すべきところを第二回公判調書と記載した場合と誤記たることの認定 二 判決における證據説示の程度

裁判要旨

一 記録によれば、原審第四回公判において所論のように判示に更迭があり、公判手續の更新が行われたのであるが、同公判調書には論旨摘録の通り、訴訟關係人かいずれも第一回公判調書記載と同趣旨の辯論をなしたものの如く記載せられていることが認められる。しかし、原審第二回公判期日は共に何等の實体的辯論もなく延期されているのであつて、第三回公判期日においてはじめて人定尋問検事の控訴事實の陳述及び被告人の尋問等が行われたものであることが記録上明白なのである。されば所論第四回公判調書の更新に關する記載中「第二回公判調書記載と同趣旨………」とあるのは、すべて「第三回公判調書記載と同趣旨………」の誤記に過ぎないものであると認められるのである。從つて原審公判手續には所論のような違法はない。 二 舊刑訴法第三六〇條第一項は「有罪ノ言渡ヲ爲スニハ罪ト爲ルヘキ事實及證據ニヨリ之ヲ認メタル理由ヲ説明」することを規定しているに過ぎない。夫故、有罪判決における證據説明としては罪となるべき事實が如何なる證據により認定せられたかを明確にするため具体的にその證據を特定しその内容を説示するのを以て足るのであつて、この要請を充するものである以上、事實認定の資料たる證據を一括して舉示することを妨ぐべき何等の理由もなく、必ずしも所論のように認定した個々の事實につき各別にその證據を摘示してその關連を一々明らかにする必要はないのである。この事は併合罪の係にある各個の罪を構成する事實についてもその理を異にすべきものではない。いま原判決の證據説明をみるに原判決は併合罪の關係にある各個の犯罪事實を各別に認定判示しながら、その認定資料である證載はこれを一括舉示していることは所論の通りであるが、各證據につき具体的にこれを特定し且つその内容を明らかにしているのであるから、これを目して違法ということはできない。原判決には所論のような違法はない。

参照法条

舊刑訴法60條,舊刑訴法64條,舊刑訴法360條第1項

全文

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