裁判例結果詳細

事件番号

昭和24(れ)2635

事件名

麻薬取締法違反

裁判年月日

昭和25年3月7日

法廷名

最高裁判所第三小法廷

裁判種別

判決

結果

破棄差戻

判例集等巻・号・頁

集刑 第16号751頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和24年7月16日

判示事項

公判において爲した辯護人の證據調の請求につき決定をしないで結審した判決の違法

裁判要旨

論旨は原審裁判所は原審公判に於て爲した、辯護人の證據調の請求に付決定をなさざる儘判決を宣告していると非難する。記録に當つてみると、辯護人申請の證人Aについてはついに何らかの決定がされないままに、辯論終結となり、判決が宣告されたのであつて、審理の經過は正に論旨の云う通りである。ところでここに問題になるのは右第二回公判調書中に「裁判長は……利益の證據があれば提出し得る旨を告げた處被告人及び各辯護人は前回公判調書記載と同様に答えた」すなわち「無い旨」を答えたとある點である。昭和二二年(れ)第一二九號同年一二月一一被第一小法廷判決は、公判終結の際における前記のごとき問答をもつて、直に辯護人はさきに請求した證人の訊問申請を抛棄したものと解したり、又は原審は結審に當り同證人訊問の請求を却下したものと解したりすることは、輕々に許されないところであるとして右の問答のあつた場合も刑訴法第四一〇條第一四號の事由あるもの、と判斷した。證據申請を重要視する刑訴法の精神上、右判例の考え方を正當と思う。すなわち論旨はこの點において理由があり、原判決は破棄せらるべきものである。

参照法条

舊刑訴法344條1項,舊刑訴法410條14號

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