裁判例結果詳細

事件番号

昭和24(れ)2793

事件名

強盗傷人、強盗、窃盗

裁判年月日

昭和25年2月2日

法廷名

最高裁判所第一小法廷

裁判種別

決定

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第16号309頁

原審裁判所名

大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和24年3月30日

判示事項

一 逮捕拘禁八〇餘日後の自白と憲法第三八條第二項 二 共謀の事實を被告人の自白のみで認定することの正否

裁判要旨

一 被告人及び原審相被告人Aが逮捕され更に勾留状によつて身体の自由を拘束されてから所論檢事の聽取書が作成されるに至る迄に八〇餘日を經過していることは所論の通りである。しかし記録によれば、被告人等兩人は逮捕されて十余日後における司法警察官の取調に對して犯罪事實を自供しているのであつて、所論檢事の聽取書の兩名の自白は右司法警察官に對する自供を單に繰り返したのにとどまり、本件事案は大阪府と香川縣とに亘つて行われた犯罪にかかるもので、その犯行數も強盜傷人一件、強盜二件、同豫備一件、窃盜三四件、鉄砲不法所持一件の多種、多數に上り、しかも犯人は被告人の他に共犯者五名を數え、各犯行は二名乃至六名が各共謀し、昭和二二年九月一六日頃から翌年三月1日頃迄の間に敢行されたものであるから、本案件の捜査に所論の期間程度の日子が必要であつたことはたやすく肯定されるところである。されば、所論の被告人等の檢事に對する自白をもつて、所論のように不當に長く抑留若しくは拘禁された後の自白であるということはできないから、(昭和二二年(れ)第三〇號同二三年二月六日大法廷判決、判例集第二卷第二號第一七頁參照)原審が所論被告人等の自白を證據としたからといつて原判決には所論の違法は存しない。 二 原判決は本件強盜傷人罪の構成要件の一部たる所論共同謀議の點のみを所論被告人等の檢事に對する自白で認定したのであつて、かかる犯罪事實の一部を被告人の自白のみで認定しても違法でないことは當裁判所の判例の趣旨とするところである(昭和二三年(れ)九四七號同年一〇月二一日第一小法定判決判例集第二卷第一三六六頁參照)

参照法条

憲法38條2項,憲法38條3項,刑訴應急措置法10條2項,刑訴應究措置法10條3項,刑法60條

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