裁判例結果詳細

事件番号

昭和25(あ)2921

事件名

殺人

裁判年月日

昭和26年7月6日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第49号291頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和25年7月2日

判示事項

刑訴第四一一条に所謂「著しく正義に反する」と認められる例――処断刑が適用法条からは有期懲役である筈なのに主文において無期懲役に処した場合

裁判要旨

一 (少数意見要旨)裁判官小谷勝重 職権を以て調査するに、本件第一審判決の法令の適用は「刑法第一九九条、第四五条前段、第四七条、第一〇条、第一四条」となつている。従つてこの適用法条からは、その処断刑は二〇年以下の有期懲役刑でなければならない。しかるに主文は「被告人を無期懲役に処する」とあるから主文と理由との間にくいちがいがあるのである。以上のごとく本件第一審判決は理由と主文にくいちがいがあり、そのくいちがいは既述のごとく論理的にいえば寧ろ主文に誤りがあるといえるし、現実の問題からしても主文と理由の何れに誤りがあるか不明であるというべきであるから第一審判決の右の違法は判決に影響を及ぼすべき法令違反があるものと断ぜざるを得ない。しかして右判決及びこれを維持した原判決はこれを破棄しなければ著しく正義に反するものと本裁判官は思料する(刑訴法第四一一条の解釈上、同条にいわゆる「原判決」の瑕疵のなかには原判決が触れざる第一審判決の瑕疵をも含むものと解する)。

参照法条

刑訴法335条1項,刑訴法411条

全文

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