裁判例結果詳細

事件番号

昭和38(あ)2460

事件名

窃盜

裁判年月日

昭和39年4月9日

法廷名

最高裁判所第一小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第151号11頁

原審裁判所名

名古屋高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和38年9月12日

判示事項

控訴審が被告人から意思の疏通を欠くとして弁護人改任の上申があつたのでさきに選任した被告人のための国選弁護人を解任し即日(控訴趣意書提出最終日経過後)新たに国選弁護人を選任し、同弁護人が異義なく弁論した場合における裁判所の措置と憲法第三七条第三項。

裁判要旨

弁護人の上告趣意は控訴審の訴訟手続には、被告人が弁護を受ける権利を剥奪または制限した違法があるとして、憲法第三七条第三項違反を主張するが、記録によると、控訴審は昭和三八年六月一九日被告人のための国選弁護人として甲を選任し、同弁護人は同年七月一七日行控訴趣意書を提出している。その後にいたつて、被告人から意思の疏通を欠くとして弁護人改任の上申があつたので、控訴審は同月二五日甲弁護人を解任し、即日乙弁護人を国選弁護人に選任し、同年八月一五日の第一回公判期日には「乙弁護人は甲弁護人名義及び被告人名義の各控訴趣意書に基づき控訴の趣意を陳述し」ている。かくのごとく、乙弁護人は自ら控訴趣意書を提出していないが、控訴趣意書を提出するための最終日の変更その他格別の措置を求めておらず、右第一回公判期日においてなんら異議を留めずして弁論したことについては被告人においても異議のあつた形跡もない。かかる事実関係の下においては所論の被告人の憲法上の権利を侵したことにならないことは、当裁判所昭和三一年(あ)第三八四八号、同三二年六月一九日大法廷判決の趣旨により明白である。それ故、所論違憲の主張は理由がない。

参照法条

憲法37条3項,刑訴法36条,刑訴規則236条,刑訴規則238条

全文

全文

ページ上部に戻る