裁判例結果詳細

事件番号

昭和22(オ)17

事件名

知事選挙の効力に関する委員会の決定に対する不服

裁判年月日

昭和23年1月17日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

判決

結果

破棄自判

判例集等巻・号・頁

民集 第2巻1号1頁

原審裁判所名

福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和22年9月6日

判示事項

一 内閣書記官長名義でなされた追放覺書指定の効力 二 選舉の結果に異動を及ぼす虞ある場合の意義 三 追放覺書該當指定前になされた投票の効力 四 追放覺書指定と道府縣制第七四條ノ一四

裁判要旨

一 同月一二、三日D本人に對してなされた通知は若し内閣總理大臣か中央公職適否審査委員會の審査の結果に基きDを覺書に該當するものと指定した事實があり内閣書記官長が内閣總理大臣の補佐機關としてその命を受けて右指定の通知を本人にした事實が明確にせらるるならば、たとえその通知が内閣書記官長の名義を以てなされ、しかもその電文自体に内閣總理大臣の命によつてすることの記載がないからといつて必ずしもその通知を以て全然指定の効力を生じないとすることはできないのであつて原判決が右のやうな事實關係の取調べをしないで直ちにこれを無効と判斷したのは明かに誤りであるといはねばならぬ。 二 地方自治法第六七條にいう選舉の結果に異動を及ぼす虞がある場合に該當するかどうかは原判決のように若し其の當時適法に選舉を行つたと假定して、其の生じ得べき結果と現實に生じている結果とを對比して判斷すべきではなく現に行はれた選舉を無効とし、あらためて選舉を行つた場合に現實に生じている結果と異る結果を生ずる可能性があるか、どうかについて検討すべきものである。 三 覺書該當指定の効果は將來に向つてのみ生じ既往に遡るものと解し得ないことは前記勅令の條項に照して明かであり、從つて四月五日の選舉當時Dは未だ覺書該當者として指定されていなかつたのであるからDの得票は有効な得票であつて右選舉の最多數の得票者がDであり、第二位がEであることは動し難い事實である。 四 昭和二二年勅令第一號第六條第二項によれば指定があつた時は其の者に當該候補者たることを辭したるものとみなされるのであつて即ち自ら候補者を辭退したときと法律上の効果は同一であつて、道府縣制第七四條ノ一四により投票を行わないのである。

参照法条

昭和22年閣令内務省令1號5條,地方自治法67條,昭和22年勅令1號6條,道府縣制74條ノ14

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