裁判例結果詳細

事件番号

平成28(行ウ)463

事件名

被疑者補償規程に基づく検察官の処分取消等請求事件

裁判年月日

平成30年7月5日

裁判所名

東京地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 被疑者補償規程に基づき検察官が行う裁定の行政処分性   2 被疑者補償規程2条にいう「罪を犯さなかったと認めるに足りる十分な事由があるとき」の意義   3 検察官が被疑者補償規程に基づく補償をしない旨の裁定をしたことが国家賠償法の適用上違法とはいえないとされた事例

裁判要旨

1 被疑者補償規程に基づき検察官が行う裁定は,抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらない。 2 被疑者補償規程2条にいう「罪を犯さなかったと認めるに足りる十分な事由があるとき」とは,構成要件該当性がないとか違法性阻却事由や責任阻却事由があることが明らかに認められるため,犯罪が成立しないことが明らかである場合や,被疑者が犯罪と無関係であることが明らかである場合のほか,証拠上,被疑者の嫌疑が極めて薄弱であるときも含まれるが,一方で,犯罪の成否等が真偽不明のときはこれに当たらない。 3 不起訴処分を受け被疑者補償規定に基づく補償の申出をした者が,提供するサービスが特殊詐欺に悪用されていることを認識しながらも継続して事業に従事していたこと,同事業で実施されていた本人確認手続が不十分なものであり,適切な方法による本人確認をする意思がなかったものと見る余地があることなど判示の事情の下においては,被疑者補償規定の補償要件を欠くと検察官が判断したことにつき,国家賠償法の適用上違法があるとはいえない。 【参考法令】 1につき行政事件訴訟法3条2項,2につき被疑者補償規程2条,3につき国家賠償法1条1項,被疑者補償規程2条

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