裁判例結果詳細

事件番号

令和4(受)540

事件名

3番所有権抹消登記等請求事件

裁判年月日

令和5年5月19日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

判決

結果

その他

判例集等巻・号・頁

民集 第77巻4号1007頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

令和1(ネ)3168

原審裁判年月日

令和3年10月21日

判示事項

1 遺言執行者は、共同相続人の相続分を指定する旨の遺言を根拠として、平成30年法律第72号の施行日前に開始した相続に係る相続財産である不動産についてされた所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えの原告適格を有するか 2 相続財産の全部又は一部を包括遺贈する旨の遺言がされた場合における、上記の包括遺贈が効力を生じてからその執行がされるまでの間に包括受遺者以外の者に対してされた不動産の所有権移転登記の抹消登記手続又は一部抹消(更正)登記手続を求める訴えと遺言執行者の原告適格 3 複数の包括遺贈のうちの一つがその効力を生ぜず、又は放棄によってその効力を失った場合における、その効力を有しない包括遺贈につき包括受遺者が受けるべきであったものの帰すう

裁判要旨

1 遺言執行者は、共同相続人の相続分を指定する旨の遺言を根拠として、平成30年法律第72号の施行日前に開始した相続に係る相続財産である不動産についてされた所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えの原告適格を有するものではない。 2 相続財産の全部又は一部を包括遺贈する旨の遺言がされた場合において、遺言執行者は、上記の包括遺贈が効力を生じてからその執行がされるまでの間に包括受遺者以外の者に対する所有権移転登記がされた不動産について、上記登記のうち上記不動産が相続財産であるとすれば包括受遺者が受けるべき持分に関する部分の抹消登記手続又は一部抹消(更正)登記手続を求める訴えの原告適格を有する。 3 複数の包括遺贈のうちの一つがその効力を生ぜず、又は放棄によってその効力を失った場合、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときを除き、その効力を有しない包括遺贈につき包括受遺者が受けるべきであったものは、他の包括受遺者には帰属せず、相続人に帰属する。

参照法条

(1、2につき)民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)1012条、民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)1013条、民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)1015条、民訴法第1編第3章 当事者 (1につき)民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)902条1項 (2につき)民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)964条 (3につき)民法990条、民法995条

全文

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