離婚後の親権者の定めに関する手続等

※ 令和8年4月1日以降の手続等についての説明です。
  本文記載の条文についても、令和8年4月1日に施行されるものとなります。
 改正後の規定に基づく申立ては、令和8年3月31日以前はできません。
  申立てをする場合には、令和8年4月1日以降に行ってください。

離婚に伴う親権者の定め方や離婚後の親権行使等について説明するページです。

1 親権と親の責務

 親権とは、親が子(未成年者)の身の回りの世話や教育をしたり、財産管理等をしたりする権利であり、義務のことです。父母の婚姻中は、父母双方が子の親権者となりますが、離婚するときには、子の親権者を定める必要があります。
 親権は、子の利益のために行使しなければなりません(民法8181項)。また、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、父母は、子の心身の健全な発達を図るため、子の人格を尊重するとともに、子の年齢及び発達の程度に配慮して養育し、子が自己と同程度の生活を維持することができるよう扶養する責務や、子に関する権利の行使又は義務の履行に関し、子の利益のため、父母同士が互いに人格を尊重し協力する責務を負います(民法817条の12)。

2 親権者の定め方

 離婚時に、父母は、父母間の協議や調停手続によって、子の親権者を父母の双方(共同親権)とするか父母のいずれか一方(単独親権)とするかを定めることができます。
 父母間の協議や調停が調わない場合は、訴訟で解決することが考えられますが、その場合、裁判所が、子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮して、子の親権者を父母の双方とするか父母のいずれか一方とするかを判断することになります。法律上、「共同親権」、「単独親権」いずれと定めるかについて、いずれか一方が原則(例外)となるかは定められてはいません。ただし、以下の事由がある場合は、必ず単独親権としなければなりません。

必ず単独親権としなければならない事由とは・・・

 訴訟等において、のいずれかが認められる場合は、必ず単独親権と定められます(民法819条7項)。
① 父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがある場合
 例えば・・・過去に親が子を虐待していた場合等
② 父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他心身に有害な影響を及ぼす言動(以下「暴力等」といいます。)を受けるおそれの有無、親権者の定めについての協議が調わない理由その他の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難である場合
 例えば・・・過去に父母の一方が他方への暴力等(暴力等には、身体的DVだけでなく、精神的・経済的・性的DVも含まれます。)を行ったことにより、父母が互いに話合いができない状態にあるなど親権の共同行使が困難な場合等
③ その他、父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害する場合

 

3 共同親権で離婚した場合の親権の行使について

 離婚時に父母の双方を親権者として定める場合、父母は、子の利益のために、親権を共同で行使する(共同の意思で決定する)ことになりますが、すべての事項を共同で決定する必要があるわけではありません(民法824条の2)。
 父母が共同で親権を行使すべき事項として、①身上監護(子の身の回りの世話や教育など)に関する重大な行為、②財産管理に関する行為、③身分行為の代理が挙げられます。ただし、子の利益のために急迫の事情があるとき、すなわち、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時に親権を行使することができず、その結果として、子の利益を害するおそれがあるような場合、一方の親が単独で決定することができます。
 また、身上監護に関する日常の行為については、一方の親が単独で決定することができます。
図:共同親権で子が一方の親と同居する場合の子との関わりのイメージ


4 単独親権で離婚した場合

 離婚時に父母の一方を親権者として定める場合、単独親権者となった親は、子の身上監護や財産管理等に関する行為について、全面的に単独で決定することができます。
 他方で、親権者でない親は、子の身上監護や財産管理に関して親権を行使することはできません。もっとも、離れて暮らす子との交流については、子の監護をしている親権者との合意や審判等に基づき実施することが可能となります。また、離婚後も「親」としての責務は負いますので、例えば、他方の親に対して子の養育に必要となる養育費の支払義務などは負うことになります。

5 親権者の定めに関する主な手続

手続名 概要
夫婦関係調整調停(離婚) 離婚及び離婚する場合の条件等について話し合う手続です。未成年の子どもがいる父母が離婚する場合には、親権者を定める必要があります。
人事訴訟(離婚)

離婚について調停で解決できない場合に、裁判官の判決による解決を図る手続です。判決において、未成年の子どもがいる父母の離婚が認められる場合には、親権者が定められます。
離婚訴訟をするには、原則として、調停の手続を経ることが必要です。

親権者変更調停・審判 離婚後に親権者を変更するための手続です。調停では話合いが行われますが、話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には、審判手続に移行し、裁判官が判断(審判)することになります。
親権者指定調停・審判 子どもの親権者に関しては裁判所の手続で解決する必要があるものの、離婚自体は協議が調っており協議離婚の届出をすることが可能である場合に利用できる手続です(親権者の指定を求める調停又は審判の申立てをしていれば、親権者を定めずに協議離婚の届出をすることもできます。申立て後、速やかに協議離婚の届出をした上で、調停又は審判の手続で親権者を定める必要があります。)。

 

6 手続の内容に関するQ&A

※次のQ&Aは、令和8年4月1日以降に変更が生じる手続に関して記載されています。
 令和8年4月1日以降は、「裁判手続家事事件Q&A」に反映されます。
夫婦について(離婚、円満調整など)のQ&A(PDF:98KB)
子どもついてのQ&A(PDF:94KB)

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