最高裁判所は,令和3年7月30日,裁判の迅速化に係る検証について,第9回の検証結果を公表しました。これは,裁判の迅速化に関する法律8条1項により,最高裁判所は,裁判所における手続に要した期間の状況,その長期化の原因その他必要な事項についての調査及び分析を通じ,裁判の迅速化に係る検証を行い,その結果を2年ごとに公表するものとされていることに基づくものです。
今回公表した報告書は,これまでの検証と同様に,地方裁判所における第一審訴訟事件及び家庭裁判所における家事事件等について,最新の統計データを用いて審理期間等の状況の検証を行い,高等裁判所における控訴審訴訟事件及び最高裁判所における上告審訴訟事件についても,併せて最新の統計データに基づく検証を行っています。
また,東京地方裁判所本庁及び東京家庭裁判所本庁の令和2年の月ごとの統計データを用いて,新型コロナウイルス感染症の影響を分析するとともに,これらの庁で実施した調査結果も踏まえながら,新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けた裁判所の対応を整理,報告しています。
今回の実情調査は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け,令和2年前半に実施することを予定していた実情調査を中止いたしましたが,民事第一審訴訟事件,刑事通常第一審事件,家事事件等について,それぞれ1か所のみを対象に,裁判所,検察庁(刑事通常第一審事件のみ)及び弁護士会に対して,感染防止の観点からウェブ会議システムを利用しながら実施しました。
1.裁判の迅速化に係る検証に関する報告書について