裁判例結果詳細

事件番号

平成15(行コ)54

事件名

行政文書不開示処分取消請求各控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成14年(行ウ)第20号等)

裁判年月日

平成17年3月17日

裁判所名

名古屋高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号該当性の主張立証責任等 2 2005年日本国際博覧会関連の行政文書のうち,日本政府と博覧会国際事務局の事務局長との会談議事録ほか非公開で行われた日本側担当者と博覧会国際事務局やその加盟国との議論や意見交換の内容を記録した文書につき,同文書の記録された情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号の不開示情報に該当するとされた事例 3  2005年日本国際博覧会関連の行政文書のうち,財団法人日本国際博覧会協会が博覧会国際事務局との実務協議を行うために作成された資料について,同文書に記録された情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号の不開示情報に該当するとされた事例 4 2005年日本国際博覧会関連の行政文書のうち,博覧会国際事務局に対する登録申請書の原案である各省事前協議要請文書等につき,同文書に記録された情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号の不開示情報に該当するとされた事例 5 2005年日本国際博覧会関連の行政文書のうち,博覧会国際事務局の総会において承認された登録申請書につき,同文書に記録された情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号の不開示情報に該当しないとされた事例 6 2005年日本国際博覧会関連の行政文書のうち,博覧会国際事務局から関係各国に配布された,あて先,送り主,執行委員会の開催予定日時場所,審議が予定されている事項及び内容が記載された執行委員会の開催通知につき,外務大臣がその全部を不開示とした判断に違法はないとされた事例

裁判要旨

1 行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号該当性に関する行政機関の長の判断に裁量権の逸脱又は濫用があったことを基礎付ける事実の主張立証責任は,本来,開示請求権者である原告が負うべきであるが,行政機関の長において,まず,その前提とした事実関係及び判断の過程等,その判断に不合理な点のないことを相当の根拠に基づいて主張立証する必要があり,これを尽くさない場合には,行政機関の長のした判断が裁量権の逸脱又は濫用したものであることが事実上推認される。 2 2005年日本国際博覧会関連の行政文書のうち,日本政府と博覧会国際事務局の事務局長との会談議事録ほか非公開で行われた日本側担当者と博覧会国際事務局やその加盟国との議論や意見交換の内容を記録した文書につき,当該議論や意見交換が事後に内容を公表しないとの前提で行われ,事務局長からもその旨の要請を受けており,経済産業大臣が,開示することにより博覧会国際事務局との信頼関係が損なわれるおそれがあると判断したことにつき相当の理由があるとして,同文書に記録された情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号の不開示情報に該当するとした事例 3  2005年日本国際博覧会関連の行政文書のうち,財団法人2005年日本国際博覧会協会が博覧会国際事務局との実務協議のため博覧会協会が作成した資料について,これとファイル名や作成主体を共通にする公開済み資料とは,作成の趣旨や目的,作成時期も異なり,言語表記の仕方や構成の差,外形的な差(ページ数等)及びキーワードをもってする差などを総合すると,情報の内容にも差異があるものと推認でき,前記両文書に同一性があるとは認められないとした上,前記資料を公開することにより,前記協議の内容を推知することができ,博覧会国際事務局は非公開とすることを要請していると考えられることなどから,経済産業大臣が,開示することにより博覧会事務局との信頼関係が損なわれるおそれがあると判断したことにつき相当の理由があるとして,同文書に記録された情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号の不開示情報に該当するとした事例 4 2005年日本国際博覧会関連の行政文書のうち,博覧会国際事務局に対する登録申請書の原案である各省事前協議要請文書等につき,承認を受けた登録申請書と比較して修正・変更点を検討することにより博覧会国際事務局との各種協議や意見交換の内容を容易に推認することができ,経済産業大臣が,公開することにより博覧会国際事務局との信頼関係が損なわれるおそれがあると認めたことについて相当の理由があるとして,同文書に記録された情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号の不開示情報に該当するとした事例 5 2005年日本国際博覧会関連の行政文書のうち,博覧会国際事務局の総会において承認された登録申請書につき,登録承認後は基本的にその内容を変えることは予定されていないことに照らすとその後の博覧会国際事務局との協議に支障を来すおそれがあるとは考え難く,類似の申請が競合した場合における選定の困難性についても考慮すべき必要性が消滅しているなどとして,公開することにより博覧会国際事務局との信頼関係が損なわれるおそれがあると認めた経済産業大臣の判断は,合理性を欠いているとして,同文書に記録された情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号の不開示情報に該当しないとした事例 6 2005年日本国際博覧会関連の行政文書のうち,博覧会国際事務局から関係各国に配布された,あて先,送り主,執行委員会の開催予定日時場所,審議が予定されている事項及び内容が記載された執行委員会の開催通知につき,具体的な審議の内容や資料等が記載されている部分が公表された場合には,博覧会国際事務局やその加盟国等の我が国に対する信頼を損なうおそれがあると判断することにつき相当の理由があるとした上,行政機関の保有する情報の公開に関する法律6条は,同法5条1号以外の不開示事由に該当する情報については,独立した一体的な情報を更に細分化して不開示事由に該当する部分のみを除くという態様の部分開示を義務付けるものではないところ,前記文書の記載内容全体は,一体として独立した1個の情報であることから,同法5条3号の不開示事由に該当する部分を除いた部分について開示すべき義務を負うものではないとして,外務大臣が前記文書の全部を不開示とした判断に違法はないとした事例

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