裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
行政事件
- 事件番号
平成13(行ウ)2等
- 事件名
処分取消請求事件(甲事件),処分取消請求事件(乙事件),損害賠償請求事件(丙事件)
- 裁判年月日
平成15年8月25日
- 裁判所名
鹿児島地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 県知事から岩石採取計画認可を受けた業者が当該採石場地先の海岸に石材搬出用の桟橋を設置するため,海岸法37条の4に基づいてした一般公共海岸区域占用許可申請に対し,県の土木事務所長がした不許可処分の取消請求が,認容された事例 2 岩石採取計画認可申請に対して県知事による不認可処分を受け,公害等調整委員会に対する裁定申請をして同処分の取消裁定及びそれに基づく県知事の前記計画の認可処分を受けた採石業者が,前記不認可処分及びその後した申請に対して県の土木事務所長がした一般公共海岸区域占用不許可処分が違法であるとしてした国家賠償請求が,一部認容された事例
- 裁判要旨
1 県知事から岩石採取計画認可を受けた業者が当該採石場地先の海岸に石材搬出用の桟橋を設置するため,海岸法37条の4に基づいてした一般公共海岸区域占用許可申請に対し,県の土木事務所長がした不許可処分の取消請求につき,一般公共海岸区域も行政財産であるから,私人による占用については国有財産法の適用により本来の用途又は目的を妨げないことを要するところ,海岸法は,津波,高潮等の自然災害から海岸を防護するとともに,海岸環境の整備保全及び一般公衆による海岸の適正利用を図り,もって,国土の保全に資することを目的としていることに照らし,一般公共海岸区域に属する国有財産である海岸の用途ないし目的は,自然現象による国土の浸食を防護し,海岸付近の自然環境を整備保全する基礎となり,国民一般によるレクリエーションやレジャー等の利用に供されるところにあると解されるから,管理者が前記許可を与えるかどうかについては,占用の目的及び態様が海岸法が定める前記目的及び用途に反するかどうかを基準として判断されるべきであるとした上,前記桟橋の設置により,当該海岸が一般公共海岸区域内の海岸としての用途又は目的を妨げるおそれがあるとは認められず,また,県知事が前記計画を認可した以上,県はこれを前提として前記許可申請に対処すべきであり,前記桟橋の設置が前記計画を実行するための事実上唯一の手段である以上,同法の適用において許可することがどのようにしても不可能な場合でない限り,許可の方向で検討すべきであり,その意味において,許可するかどうかについての県知事の裁量は覊束されていることなどから,前記不許可処分は法令上不許可とすべき事由がないのにされた違法なものであるとして,前記請求を認容した事例 2 岩石採取計画認可申請に対して県知事による不認可処分を受け,公害等調整委員会に対する裁定申請をして同処分の取消裁定及びそれに基づく県知事の前記計画の認可処分を受けた採石業者が,前記不認可処分及びその後した申請に対して県の土木事務所長がした一般公共海岸区域占用不許可処分が違法であるとしてした国家賠償請求につき,県は,前記不認可処分の不認可理由があると認定するに当たり,具体的な調査分析を行わなかったなどのことから,県知事が前記不認可処分をしたことは,故意又は過失による違法な行為に当たり,また,前記不許可処分は法令上不許可とすべき理由がないのにされた違法な処分であり,その判断は一般海浜地につき国有財産法が適用されていた当時の県管理規則に定める基準を踏襲したものであるが,海岸法の改正に伴って前記規則は廃止され,新たに制定された同法施行細則には前記規則のような制限的な許可基準は設けられなかったものであり,このような法令の変更は許可事務を委任された者として当然把握精通しておくべき事柄であるあるから,前記不許可処分は過失による違法行為に当たるとして,前記請求を一部認容した事例
- 全文