裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
行政事件
- 事件番号
平成14(行コ)167
- 事件名
損害賠償代位請求住民訴訟控訴事件(原審・さいたま地方裁判所平成8年(行ウ)第7号)
- 裁判年月日
平成14年12月25日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
市の一部事務組合が下水道事業団に委託した下水道施設工事に関し,同事業団が発注した電気設備工事は,同事業団と工事業者らとの談合により,不当に請負代金が釣り上げられており,その結果,前記組合は,談合がなかった場合に形成されたであろう請負代金額と現実の請負代金額の差額相当額の損害を被っているにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っていることが違法であるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,前記組合に代位して前記事業団及び業者に対し損害賠償を求める訴えが,同訴えに係る住民監査請求には,同法242条2項所定の監査請求期間の制限の適用がないとして,適法とされた事例
- 裁判要旨
市の一部事務組合が下水道事業団に委託した下水道施設工事に関し,同事業団が発注した電気設備工事は,同事業団と工事業者らとの談合により,不当に請負代金が釣り上げられており,その結果,前記組合は,談合がなかった場合に形成されたであろう請負代金額と現実の請負代金額の差額相当額の損害を被っているにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っていることが違法であるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,前記組合に代位して前記事業団及び業者に対し損害賠償を求める訴えにつき,前記監査請求の対象事項である怠る事実に係る損害賠償請求権は,前記事業団等が談合により不当に釣り上げたという不法行為により発生したのであり,前記組合と前記事業団との間における委託契約の締結や委託費用の支払行為等の財務会計上の行為が財務会計法規に違反する違法なものであったとされて初めて発生するものではないから,前記監査請求について監査を遂げるためには,監査委員は,談合があったか否か,談合に基づく入札及び請負契約の締結が不法行為法上違法の評価を受けるものであるか否か,これにより代金額が不当に高いものとなって前記組合に損害が生じたか否かを確定すれば足り,前記組合と前記事業団との間における財務会計上の行為が財務会計法規に違反する違法なものであったか否かを判断する必要はないから,前記訴えに係る住民監査請求には,同法242条2項の監査請求期間の制限の適用がないとして,前記訴えを適法とした事例
- 全文