昭和63(行コ)4

損害賠償請求控訴事件

平成2年3月13日

広島高等裁判所

行政

１　町長が条例の定めなしに，一般職員の給与を是正するため，違法に，数次にわたって特別調整の名目で一括して昇給処分をし，それに基づき給与を支給した後，この特別調整措置と同様の目的及び効果を有する給与改正条例が可決公布され，特別調整措置に基づく給与支給時にさかのぼって適用されることになった場合であっても，町長が前記改正条例によって特別調整をし，これに基づき給与増額分を現実に支給し得るのはあくまでも同条例施行後であって，さかのぼって支給すべき分についてはその後で差額支給し得るにすぎず，既に現実に給与増額分を支給したこと自体の違法性は前記条例が施行されたことによっても治癒されないとした事例　２　町長が，条例の定めなしに，一般職員の給与を是正するため，違法に，数次にわたって特別調整の名目で一括して昇給処分をし，それに基づき給与を支給したことにより町が被った損害額を，前記処分による給与増額分の各支給時から前記特別調整措置と同様の目的及び効果を有する給与改正条例が公布施行される前日までの運用利息相当額（利率年５パーセント）と認定した事例

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