裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
行政事件
- 事件番号
平成13(行ウ)222
- 事件名
障害基礎年金不支給決定取消等
- 裁判年月日
平成17年10月27日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 国民年金法30条の4に規定する「初診日」の意義 2 平成元年法律第86号による改正前の国民年金法により学生の国民年金への加入が任意とされていた当時,大学在学中に総合失調症の診断を受けたが,初診日において20歳以上の学生であって国民年金につき任意加入していなかったことから,障害基礎年金の不支給の処分を受けた者がした同処分の取消請求が,認容された事例
- 裁判要旨
1 国民年金法30条1項及び同法30条の4が,拠出制障害基礎年金及び20歳前障害基礎年金の支給要件の判定日を,障害を負った日又は傷病の発生日ではなく「初診日」と規定しているのは,障害基礎年金の支給の可否を判断する行政庁において,医学的見地から,当該障害の原因となる傷病の発生を判断するに足りる客観的資料を入手する必要があるというだけでなく,傷病を負った場合には本人において自ら又は周囲の者の協力を得て,速やかに医師の診療を受けるのが通常であり,傷病に起因する症状の発現から受診に至る過程に恣意や偶然性による長短が生ずる可能性が少なく,発病の日と初診日がおおむね接着していて,保険事故発生の可能性が高くなってから保険に加入するといういわゆる逆選択が認められる余地が類型的に乏しいことを基礎とするものであるところ,統合失調症については,発病から医師の診療を受けるまでの期間が,患者本人や家族の偶然的な判断,行動に左右され,長期化する傾向もあることから,初診日をもって画一的に発病の日とみることは,医学的見地からみて一般的に合理性があるとはいい難く,初診日の要件の本来の趣旨に合致しないというべきであり,また,平成元年法律第86号による改正前の国民年金法により学生の国民年金への加入が任意とされていた当時,20歳前に当該傷病を負った学生について,国民年金に任意加入することを当然に期待できたということはできないことなどからすれば,学生であって,20歳となってから,国民年金に任意加入することのないまま,医師による統合失調症の診断を受け,拠出制障害基礎年金の支給を受けられない者が,医師の事後的診断等により,統合失調症の症状が発現して医師の診療を受けることを必要とする状態となった時点が20歳前であると認められる場合には,同法30条の4に規定する「初診日」の要件を満たすと解するのが相当である。 2 平成元年法律第86号による改正前の国民年金法により学生の国民年金への加入が任意とされていた当時,大学在学中に総合失調症の診断を受けたが,初診日において20歳以上の学生であって国民年金につき任意加入していなかったことから,障害基礎年金の不支給の処分を受けた者がした同処分の取消請求につき,学生であって,20歳となってから,国民年金に任意加入することのないまま,医師による統合失調症の診療を受け,拠出制障害基礎年金の支給を受けられない者が,医師の事後的診断等により,統合失調症の症状が発現して医師の診療を受けることを必要とする状態となった時点が20歳前であると認められる場合には,国民年金法30条の4に規定する「初診日」の要件を満たすと解するのが相当であるとした上,前記の者は,医師の診断により,20歳となる前に統合失調症の症状が発現し,医師の診療を受けることが必要となったことを医学的に証明しているから,前記処分時において,同条の規定に基づく障害基礎年金の支給要件を満たしていたと認められるとして,前記請求を認容した事例
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