裁判例結果詳細

事件番号

昭和25(れ)757

事件名

贈賄

裁判年月日

昭和25年11月10日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

刑集 第4巻11号2248頁

原審裁判所名

大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和25年3月24日

判示事項

一 公務員甲、乙に各別に贈賄する意見をもつて二口の金包を何人に贈与するかを指示せず同時に同場所でその旨を告げ甲に交付した場合と乙に対する贈賄罪の成立―右の場合乙が收賄したとき贈賄者に対する擬律 二 第一審において有罪とせられた二個の事実の中一個の事実を無罪としながら、なお第一審判決と同一の刑を科した場合と不利益変更の禁止

裁判要旨

一 被告人が二千五百円と千五百円の二口の金包を、何れの金包を何人に贈与するかを指示せず、同時に同場所で判示Aを通じBに交付したとしても、右Bに対する金品の交付行為をもつてしては未だ同人に対する贈賄行為の成立あるに止り、Cに対してはさらに情を知つた右Bが判示の金品をCに交付したときはじめてその実行行為があつたものというべきである。然らば被告人のBに対する贈賄行為と、Cに対する贈賄行為とは別個の贈賄行為であつて、原判決がこれを併合罪の関係にあるものとして処断したのは相当である。 二 旧刑訴法第四〇三条にいわゆる原判決の刑より重い刑を言渡すというのは判決主文における科刑を原判決にくらべて重くするということゝは当裁判所の判例とするところである。(昭和二四年(れ)第一四八四号同年一〇月一日第二小法廷判決参照)そうして論旨引用の各判例もいずれもこれと同旨に出でたものである。されば原判決が第一審において有罪とせられた(イ)(ロ)の各贈賄事実の中(ロ)の事実を無罪としながらなお第一審判決と同一の刑を被告人に科しても旧刑訴法第四〇三条に違脊しないこと明らかである。

参照法条

刑法198条,刑法197条,刑法45条前段,刑法54条1項前段,旧刑訴法403条

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