裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和23(れ)416
- 事件名
傷害
- 裁判年月日
昭和23年7月13日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第2巻8号832頁
- 原審裁判所名
広島高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和23年2月28日
- 判示事項
共同暴行者の一人が傷害の結果を與えたものと認定した判決と理由不備の違法
- 裁判要旨
原判決は、その引用する證據によつて、被告人が單獨でAに暴行を加え同人の鼻翼部、上唇下顎部、左背部第八乃至第十一肋骨部等に全治約一ヶ月を要するような打撲傷を與えた事實を認定している。しかしその證據に引用しているAに對する司法警察官の聽取書、原審公判廷における被告人の供述及び醫師B作成の診斷書によると被告人の外に三名の者がAに暴行を加えたことAが判示のような傷害を受けたことはいずれも認めることができ殊に原審公判廷における被告人の供述によると被告人はAの頬を二、三囘毆り更に胸を突いて同人を仰向けに倒れさせたというのであるから被告人の暴行が右傷害の原因の一部をなしていることは疑ないが、前記Aの供述によれば同人は數人の者に毆られたり踏んだり蹴られたりされたというので、被告人以外の他の者の暴行が右傷害に對し全然因果關係を缺くものとは斷定しきれない。むしろ反證のない限り數名の暴行が競合して一つの傷害の結果を發生せしめたものと認むべきである。そして原判決の引用するところによつては、被告人の暴行のみによつてAに右の傷害を與へたことを認め得る證據は全くない。されば原判決は證據によらないで罪となるべき事實を認めたこととなり刑事訴訟法第三六〇條に違反したものと言はなければならない。尤も二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において暴行者の間に意思の連絡があれば共犯が成立するし、意志の連絡がなくてもその傷害を生ぜしめた者を知ることができないときは共犯の例に依るのであるから、暴行者の一人は他の暴行者の加えた傷害についても罪責を負うべきことは論を待たないが、かかる罪責を認めるためにはその事實を明かに例示して説明しなければならない。しかるに原判決にはかかる説明がないのであるから、所論のように理由の不備があり論旨は理由があるものとは言わねばならない。
- 参照法条
刑法204條,刑法206條,刑法207條,刑法60條,刑訴法360條1項
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