裁判例結果詳細

事件番号

平成15(行ウ)14

事件名

運転免許更新処分取消請求事件

裁判年月日

平成17年4月26日

裁判所名

千葉地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 運転免許証の更新申請に対し,公安委員会が有効期間を3年とする運転免許証を交付する行為の行政処分性 2 過去の安全運転義務違反行為のため,道路交通法92条の2第1項の表備考一の4に定める違反運転者等に該当するとして,更新後の有効期間を3年とした自動車運転免許証の更新を受けた者がした,有効期間3年を超え5年までの有効期間の更新を拒否する部分の取消請求が,認容された事例

裁判要旨

1 運転免許証の更新申請に対し,公安委員会が有効期間を3年とする運転免許証を交付する行為の行政処分性につき,道路交通法上,更新日の年齢が70歳未満の優良運転者及び一般運転者の更新後の免許証の有効期間は5年とされ,違反運転者等についてのみ更新後の免許証の有効期間は3年とされている(同法92条の2第1項)ほか,優良運転者及び一般運転者については,違反運転者等に比べて,免許証の有効期間の更新に伴う負担の軽減が図られているところ,このような負担軽減を受けることのできる地位ないし利益は,同法によって保護された利益であるとした上,同法は,更新後の免許証の有効期間については5年を原則とする政策を採用したものと解することができ,また,有効期間の更新申請をする者としては原則である5年の有効期間による更新をする意思で申請を行うのが通常と考えられるから,更新日の年齢が70歳未満の更新申請者は,更新後の免許証の有効期間を5年として申請する権利を同法が付与しているものと解され,更新申請は,特段の事情が存しない限り,有効期間5年の更新の申請をする意思を黙示的に示して行われているとして,このような申請に対し,公安委員会が免許証の有効期間を3年とする更新を行う行為は,有効期間を5年とする更新申請の一部を拒否する行政処分に当たる。 2 過去の安全運転義務違反行為のため,道路交通法92条の2第1項の表備考一の4に定める違反運転者等に該当するとして,更新後の有効期間を3年とした自動車運転免許証の更新を受けた者がした,同更新に係る処分のうち有効期間3年を超え5年までの有効期間の更新を拒否する部分の取消請求について,公安委員会が,運転免許証の更新申請に対し,更新後の免許証の有効期間を3年として免許を更新した行為は,行政手続法8条の「申請により求められた許認可等を拒否する処分」に当たるとした上,理由提示義務を規定する同条は,行政庁の拒否事由の有無についての判断の慎重と公正妥当を担保してその恣意を抑制することを趣旨とするものであることからすれば,前記の者が,更新申請の頃には前記違反によって違反運転者等に該当することになったことを推知することができたとしても,同条1項本文にいう処分理由の提示があったといえるためには,更新申請者に対し新たな免許証を交付する時点において,申請者が,いかなる違反行為等があったことに基づいて,違反運転者等に該当することになったかを了知できる程度の理由提示が行われることが必要であるところ,新たな免許証の交付時には何らの理由提示も行われず,また,同項ただし書が適用される場合にも当たらないから,免許証の有効期間を3年とした処分は同項に違反するものとして,前記請求を認容した事例

全文

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