裁判例結果詳細

事件番号

昭和23(れ)1779

事件名

酒税法違反

裁判年月日

昭和24年5月14日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第10号107頁

原審裁判所名

広島高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和23年10月22日

判示事項

一 略式命令の請求が適法である場合の公訴提起の正否 二 酒税法の合憲性と憲法第二五條の法意

裁判要旨

一 略式命令の請求は簡易裁判所の管轄に屬する事件について公判前略式命令をもつて罰金又は科料の刑を科することを裁判所に求める公訴提起に附帶する請求であるから略式命令の請求が憲法に適合するものである以上、適法な略式命令の請求があればその公訴の提起も適法であること論を俟たない。 二 論旨は、酒造法は國民の生活必需品である酒の造石高を極度に制限し、又戰前に比し二二五〇倍を超える高率の税を課していて、國民の最低限度の生活を營む權利を侵害するものであるから、憲法第二五條第一項に違反する無効の法律であると主張するのであるが酒税法は酒類の造石高を制限している法律ではないのであるから、この點に關する論旨は見當違いである、又憲法第二五條の意義については、既に後記當裁判所大法廷の宣明するところであつて要するに同條第一項はすべての國民が健康で文化的な最低限度の生活を營み得るよう國政を運營すべきことを國家の義務として宣言したものであつて、即ち國家は國民一般に對し概活的にかゝる責務を負擔しこれを國政上の任務としたのであるけれども、個々の國民に對して具体的現實的にかゝる義務を負擔する趣旨ではないのである。(昭和二三年(れ)第二〇五號同年九月二九日大法廷判決)されば論旨が右憲法の規定から直接に個々の國民は國家によつて現實的な生活權を保障されているものとしその前提の下に酒税法所定の税率は著しく高率であるから免許を受けずして酒類を製造することは國民の生活權の行使であり、これを處罰する酒税法の規定は憲法第二五條に違反すると論ずるのは誤りであることは前示判例の趣旨に照し極めて明白であつて論旨は採用することを得ない。

参照法条

舊刑訴524條,憲法37條1項,憲法25條,酒税法14條

全文

全文

ページ上部に戻る