裁判例結果詳細

事件番号

昭和23(れ)2027

事件名

暴力行為等処罰に関する法律違反等

裁判年月日

昭和24年5月17日

法廷名

最高裁判所第三小法廷

裁判種別

判決

結果

破棄差戻

判例集等巻・号・頁

集刑 第10号179頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和23年10月29日

判示事項

一 誤記遺漏がある公判調書の證據力 二 控訴審において審理の始め被告人に控訴の趣旨についての陳述を求めることの意味 三 公判請求書の記載を引用した公判調書を證據としながらその公判請求書の證據調をしないため判決の違法を來す一場合 四 拳銃所持の場所についての判決の誤りと上告理由 五 違法な公判手續における相被告人の供述を證據とした判決と破毀理由の共通

裁判要旨

一 原審第二回公判調書のはじめに「八月三〇日」とありその末尾に年月日が書いてないことは指摘された通りであるが、記録全体から綜合すると、右「八月三〇日」は「九月二〇日」の誤記でありすなわち八月三〇日のは第一回公判で、その時にはAは出頭しなかつたが、第二回公判は九月二〇日で、それにはAが出頭していること明白であるから原審が事實の審理をしないで判決を下をしたわけではない。そして調書に多少の誤記遺漏があつてもその證據力を害するものでないことについては大審院以來の判例がある。 二 第二回第三回公判調書を見ても被告人Aに對し控訴の趣旨をたずねていないが控訴審に於いて審理のはじめに控訴の趣旨をたずねることは舊刑事訴訟法の要求するところでなく、ただ裁判所が取調の都合上、爭點を明らかにし控訴人の不服の範圍程度をあらかじめ知つて置こうとするだけの意味であるからそれをしなかつたから違法だとは言えない、すでに當裁判所にその趣旨の判例がある。(昭和二三年(れ)第五八七號同年九月九日第一小法廷判決) 三 公判請求書記載の犯罪事實を讀み聞かせなければ第一審公判請求書中にある公判請求書記載の犯罪事實を認めたという被告人の供述の内容が不明であるので、かかる公判調書については適法な證據調べがなされたこととならず、従つてこれを證據に引用することの違法であることもいうを俟たない。(昭和二三年(れ)第一八二號同年五月四日第三小法廷判決) 四 しかし本件における問題は拳銃の所持そのものであつて、その拳銃をその人が所持していたということが證明されれば、その所持の場所はさしたる問題でないから、原判決破毀の理由となるほどの缺點とも言はれまいと思う。 五 相被告人の一人につき公判手續の違法を理由として判決を破毀するときは、他の相被告人の上告論旨にその事がなくとも、その公判調書中の供述を證據とした以上舊刑事訴訟法第四五一條によりその被告人についても破毀をなすべきものという趣旨の當裁判所の判例がある。(昭和二三年(れ)第七〇三號同年一〇月三〇日第二小法廷判決)

参照法条

舊刑訴法60條1項,舊刑訴法71條,舊刑訴法72條,舊刑訴法411條,舊刑訴法394條,舊刑訴法407條,舊刑訴法345條,舊刑訴法336條,舊刑訴法340條1項,舊刑訴法360條1項,舊刑訴法451條,銃砲等所持禁止令1條

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