裁判例結果詳細

事件番号

昭和23(れ)238

事件名

傷害致死

裁判年月日

昭和23年6月1日

法廷名

最高裁判所第三小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

集刑 第2号253頁

原審裁判所名

広島高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和22年12月26日

判示事項

一 強制による自白の主張と檢事の聽取書の證據力 二 共同暴行者の一人の加えた死傷の結果と他の者の責任 三 犯罪構成要件たる事實の一小部分に付き被告人の自白以外他に證據なき場合

裁判要旨

一 被告人の司法警察官に對する陳述が、司法警察官の強要によるものであることや、右の檢事に對する陳述が、さような司法警察官に對する陳述に根據してなされたものであるというようなことは、被告人が原審公判廷においてさように辯解している以外には、本件記録上これを認め得る何等の資料もない。原審が被告人の右の陳述によつて右の事實を認めるか否かは、その自由な心證によつて決することのできる範圍に屬するもので、原審はその事實を認めず、前記聽取書を適法のものと認めてこれを證據に採り判示事實を認定したのであるから、少しも違法はない。 二 いやしくも他人の身體に對し暴行する意思で暴行を加え、よつて、その他人に傷害を與えた場合には、たとえ傷害の意思がなかつたときでも、傷害罪の責任を負い、又その傷害を與えた結果被害者を死にいたらしめたときは、傷害致死罪の責任を負うことは當然であつて、なお、共同暴行者中の一人が暴行によつて相手方に死傷の結果を與えれば、共同暴行者全員がその死傷の結果について責任を負わなければならぬことも亦もちろんであるから、本件において、被告人と共同して被害者Aに暴行を加えた者の一人である所論Bが右被害者に對して原判示のような傷害を與え、その結果同人を死にいたらしめた以上、被告人も亦傷害致死罪の責任は免れることができない。 三 犯罪構成要件たる事實の大部分が他の證據の裏付によつて認め得られる以上其一部に付ては被告人の自白以外他に證據が無くても刑訴應急措置法第一〇條第三項に違反するものでないこと既に當裁判所の判例とする處で(昭和二二年一二月一六日言渡昭和二二年(れ)第一三六號事件判決参照)今なお變更の要を認めない。

参照法条

刑訴應急措置法10條2項,刑訴應急措置法10條3項,刑法60條,刑法205條1項

全文

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