裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
令和5(オ)360
- 事件名
地位確認等請求事件
- 裁判年月日
令和8年2月18日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所
- 原審事件番号
令和3(ネ)833
- 原審裁判年月日
令和4年11月15日
- 判示事項
1 令和元年法律第37号による改正前の警備業法14条、3条1号の規定のうち被保佐人であることを警備員の欠格事由として定めた部分と憲法22条1項及び14条1項 2 国会が令和元年法律第37号による改正前の警備業法14条、3条1号の規定のうち被保佐人であることを警備員の欠格事由として定めた部分を改廃する立法措置をとらなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないとされた事例
- 裁判要旨
1 令和元年法律第37号による改正前の警備業法14条、3条1号の規定のうち被保佐人であることを警備員の欠格事由として定めた部分は、平成29年3月の時点において、憲法22条1項及び14条1項に違反するに至っていた。 2 国会が平成29年3月の時点までに令和元年法律第37号による改正前の警備業法14条、3条1号の規定のうち被保佐人であることを警備員の欠格事由として定めた部分を改廃する立法措置をとらなかったことは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではない。 ⑴ 昭和57年以降、社会における障害の捉え方の変化等の流れを反映して障害者の権利に関する条約の批准やこれに伴う国内法の整備、その施行に向けた準備等の様々な事象が積み重なり、徐々に障害者を取り巻く社会や国民の意識の変化が進み、労働者について障害を理由とする差別が禁止されるべきであるとする考え方が確立したこと等により、平成29年3月の時点において、上記部分は、違憲となるに至っていた。こうした変化等は、その性質上、外形的事実として観察することができるものではなく、容易に看取し得るものではない。 ⑵ 上記時点までに、成年被後見人又は被保佐人であることを欠格事由とする規定の見直しの必要性自体は指摘されていたものの、当該規定に憲法上の問題があることを理由とするものではなかった。また、上記時点までに、成年被後見人又は被保佐人であることを欠格事由とする規定について、憲法上の問題があるとした学説はほとんど存在せず、職業に関する当該規定について、裁判所において違憲である旨の判断がされたことはなかった。 ⑶ 平成28年5月に成年後見制度の利用の促進に関する法律が施行された後、成年被後見人又は被保佐人であることを欠格事由とする規定の見直しに向けた検討が継続され、170余の法律に設けられた当該規定の全てについて統一的な見直しの方針が策定された上で、令和元年中にいずれも削除されるに至っている。見直しに当たり、欠格条項を設けている各種制度の間の整合性について検討を行うことのないまま、上記部分についてのみ先行して見直しを行うことを要するような事情が存在したことはうかがわれない。 (1、2につき、個別意見がある。)
- 参照法条
(1、2につき)憲法14条1項、憲法22条1項、警備業法(令和元年法律第37号による改正前のもの)3条1号、警備業法3条7号、警備業法14条、警備業の要件に関する規則(昭和58年国家公安委員会規則第1号)3条1項 (2につき)国家賠償法1条1項
- 全文