高知地方・家庭裁判所長の紹介

高知地方・家庭裁判所長

冨田 敦史( とみた あつし )

昭和38年2月27日生

出身 香川県

写真:高知地方・家庭裁判所長 冨田 敦史

略歴

平成7年(1995年)浦和地裁(現さいたま地裁)判事補に任官し、その後、鹿児島地家裁、福岡地家裁、鹿児島地家裁川内支部(薩摩川内市)、大阪高裁を経て、裁判員裁判が始まった平成21年(2009年)以降は、福岡地裁小倉支部(北九州市)、神戸地裁、鹿児島地裁(部総括)、広島地裁(部総括)、福岡高裁、福岡地裁(部総括)で主に刑事裁判を担当してきました。

ご挨拶

 『苦しんでいる人、悲しんでいる人を前にして、心が動かされない裁判官はいません。』
これは裁判所の見学会での同僚の裁判官の言葉です。私も全く同感です。
 多くの裁判には苦しみや悲しみが秘められています。その原因となっている事柄に法の光を当て、事実に基づき、公平に道理にかなった解決の道筋を示していく。これが裁判の仕事であり、裁判所の役割です。
 もめ事に法の光を正しく当てるには、検察官や弁護士等の法律専門家の関与が欠かせません。事実を明らかにするためには、警察等の捜査機関の下支えも大切です。公平で迅速・合理的に手続きを進めるには、裁判所書記官・事務官のチームが大きな役割を担います。裁判員は刑事裁判のパートナーです。裁判に国民の感覚を反映させ、私たちの古い仕事のやり方を変える力も持っています。医療や建築といった専門分野の紛争には、その道の専門家の委員の手助けがあります。また、家庭内の困り事や少年の非行といった人の感情も複雑に絡み合った紛争には、家庭裁判所調査官が人間科学の視点から光を当て、解決の糸口を探します。調停委員や司法委員は皆さんに寄り添って一緒に解決していきます。このように裁判の仕事は、大きく広いチームワークの中で行われています。
 『裁判所が遠くて、不便…』裁判所は、津々浦々で役割を果たします。デジタル通信技術は日進月歩で、デジタル通信機器は誰もが利用できる身近なものになっています。この技術を裁判の仕事でも上手に活用すれば、どこに住んでいても、仕事の成果を受け取ることができるようになります。
 裁判の仕事に関わる大きく広いチームワークを後押しする。そして、裁判の仕事にデジタル技術の活用をいっそう進める。これが、これからの私の役割と考えています。