東京高等裁判所長官

東京高等裁判所長官

今崎 幸彦(いまさき ゆきひこ)
(生年月日 昭和32年11月10日)

写真:東京高等裁判所長官 今崎 幸彦

略歴

 昭和58年に裁判官に任官し,東京,京都及び水戸の各裁判所や外務省などで勤務してきました。近年の略歴は,次のとおりです。

平成16年12月
司法研修所教官
平成20年2月
最高裁判所秘書課長兼広報課長
平成22年9月
東京地方裁判所判事(部総括)
平成25年1月
最高裁判所刑事局長兼図書館長
平成27年3月
水戸地方裁判所長
平成28年4月
最高裁判所事務総長
令和元年9月2日
東京高等裁判所長官

ご挨拶

 どのような社会であれ,紛争や社会の約束事からの逸脱行為の発生を避けることはできません。裁判所は,そうした紛争を,法に従って解決することにより,人々が安心して暮らすことのできる社会を実現する役割を負っています。

 紛争は社会の有り様によって変わります。昭和,平成,令和を通じた歩みの中で,我が国社会は大きく変貌しました。近時は経済活動が高度化,複雑化の傾向を一層強め,グローバル化,ネットワーク化が進み,IT,AI技術の急速な進展,普及が人々の経済活動や生活を大きく変えようとしています。価値観が多様化し,個人の選択や自由を尊重する意識が定着する中で,少子高齢化や家庭の有り様などの社会構造の変化,SNSの普及なども人々の意識,行動に影響を及ぼしているように思われます。

 こうした社会を反映し,科学技術や先端取引など高度な専門知識を要する事件,先例に乏しく社会的な議論の熟していない論点をはらむ事件,国家の政策や大規模な企業活動にかかわり多数の人々の利害にからむ事件等難しい判断を求められる訴訟が増えています。東京高等裁判所にも管内の裁判所にも,そうした事件が少なからず係属しています。

 裁判所の仕事は,提起された訴訟を迅速,適正に解決することに尽きますが,多様化,複雑化,大規模化する紛争に的確に対処していくためには,中立公正な判断機関としての原点に立ちつつ,流動する社会の実相に目をこらしていくことが必要です。民事,刑事,家事,少年と様々な事件分野がありますが,いずれにおいても裁判官,職員には一層の努力が期待されます。裁判所自身の運営についても,情報通信技術の進展,浸透など社会の環境変化をにらんで不断に見直していくことが求められましょう。

 微力ながら力を尽くしていく所存です。皆様の御理解と御支援をお願いいたします。