1. 新しい人事評価制度の整備
平成16年4月から,裁判官の人事評価に関する規則(平成16年最高裁判所規則第1号)に基づき,裁判官について新しい人事評価制度が実施されました。
今回の制度は,裁判官の資質・能力を高めるとともに,国民の裁判官に対する信頼を高めるために,人事評価の透明性・客観性を確保するという観点から整備されたものです。
2. 新しい人事評価制度の内容
新しい人事評価制度では,規則により,人事評価を行う評価権者を明確に規定するとともに,評価項目を明確に定めた上で評価基準を設定しています。
評価権者は,人事評価に当たって,裁判官の独立に配慮しながら情報の把握に努めることになりますが,この際に,裁判所内部の情報だけでなく,裁判所外部からの情報についても配慮するものとされました。
そのような情報も,裁判官の人事評価に用いられるものですから,情報の内容が的確かどうか検討される必要がありますので,原則として,情報を提供していただく方の氏名,連絡先や具体的な根拠となる事実が記載された書面を裁判所の総務課で受け付けることになります。もっとも,個々の裁判の結論の当否を問題とするものなど,裁判官の独立に影響を及ぼすおそれのある情報については考慮することができません。
評価権者は,人事評価の際に,裁判官から職務の状況に関する書面の提出を受け,裁判官と面談し,申出があれば裁判官に評価書を示すこととされています。また,裁判官が評価権者に評価書の記載内容について不服を申し出る機会も保障されました。
このように,裁判官の新しい人事評価制度では,透明性・客観性を高めるために,種々の措置が採られています。
※なお,制度の内容の詳細については,以下の「裁判官の新しい人事評価制度の概要について」をご覧下さい。