(1) 捜査機関
捜査機関は,犯罪が行われたと考える場合に捜査を開始し,被疑者を特定したり犯罪に関する証拠を収集したりします。通常,捜査はまず警察官(司法警察職員)が中心となって行い,書類や証拠物とともに,事件を検察官に送致(送検)することになっていますが,必要な場合には,検察官が自ら捜査することもあります。
(2) 任意処分と強制処分
捜査は,人の身体や財産などに対する強制を伴わない限り(任意捜査),裁判官の発する令状は必要ありませんが,捜査を進める上で,被疑者の身柄を拘束したり,人の住居に立ち入ったり,所有物を差し押さえたりする(強制処分)ためには,現行犯逮捕などの場合を除き,逮捕状,勾留状,捜査差押許可状などの令状が必要になります。これは,不当な人権侵害を防止するため,こうした強制処分は裁判官の発付する令状により行うべきことを憲法が要求していることに基づくものです。